第170回天皇賞・秋(27日/GI、東京芝2000m)には、三冠牝馬リバティアイランド、オールカマー勝ち馬で国内GI初挑戦のレーベンスティール、有馬記念を制したドウデュースなどが出走予定。
本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「ホウオウビスケッツ」を取り上げる。
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目次
■ホウオウビスケッツ
【中間調整】今夏の巴賞を勝ち、オープンクラスでの初勝利をモノにすると、中1週で臨んだ函館記念も勝利。“巴賞勝ち馬は勝てない”というジンクスはどこ吹く風と言わんばかりの快勝を収めたあたり、GIIIレベルの器ではないのは確かだ。実際にスーパーGIIとされる前走・毎日王冠も開幕週の好コンディションに恵まれたにせよ、逃げ粘ってのクビ差2着。陣営サイドのコメントによればデキは八分あるかないか程度での健闘だったことを考えればその価値は高い。仮に勝たれたシックスペンスが今回出ていれば人気になったはず。ホウオウビスケッツもGIでやれていい。
夏に函館で2戦、秋に1戦消化し疲れが気になるシチュエーションだが、反動がないことを確認され中2週で天皇賞・秋へ挑むことに。中間の初時計だった1週前追いには今回初コンビを組む岩田望騎手が騎乗し、慎重にウッド14-14を消化。ラストは外ラチ沿いを馬なりでスッと加速し、心身の安定ぶりをアピールした。
【最終追い切り】レース当週は助手が騎乗し、ウッドで併せ馬。福島記念を予定しているオープン馬ホウオウノーサイドを追い、巧みなコーナーワークで取り付いていく。直線では手応え優勢のまま自然と切れで勝り、2馬身抜け出しての先着とした。
【見解】中2週での参戦とあって中間の調整はオール70-40程度で済ますかと思いたくなるところだが、日曜追いで3F37秒9、そして最終追いでオープン馬を相手に追走先着し同36秒8とグングンと攻めを強めている。1週前追いをこなしグンと体調が上がってきて、一気に色気が出てきたということか。主戦・岩田康騎手からの手離れは残念だが、代打が岩田望騎手なら癖などはしっかり伝授されるはず。そもそも奥村武厩舎勢は2頭出しで「ノースブリッジ・岩田康」「ホウオウビスケッツ・岩田望」という布陣で臨んでくるあたり、不気味なことこの上ない。どちらも前に行きたいクチだが“チームオーダー”としてすんなり隊列が決まり、無用な消耗は避けられる。おそらくホウオウビスケッツを行かせ、逃げ1車の利を得そうだ。前走に続いての粘り込みに警戒。
総合評価「A」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)
【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。