今週は東京競馬場で天皇賞・秋(芝2000m)が行われる。皐月賞馬ジャスティンミラノの故障回避は残念だが、それを補ってあまりある豪華メンバーが集結。GIにふさわしい戦いが予想される。
ここでは、過去10年データからダノンベルーガとジャスティンパレスにフォーカスしたデータを取り上げる。
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目次
ダノンベルーガに【1.2.0.2】の好データ
一昨年は3着、昨年は4着と本レースで好走を続けるダノンベルーガ。当時のメンバーからイクイノックスやプログノーシス、パンサラッサが抜けたとあって穴人気も考えられる1頭だ。ドバイターフ以来の実戦、3歳時の共同通信杯を最後に勝ち星から遠ざかる現状とすべてをプラスに捉えることが難しい状況だが、この馬を狙える根拠は存在する。
・同年のドバイターフ3着内馬【1.2.0.2】
該当馬5頭中3頭が馬券内。「昨年のダノンベルーガがそうだったんじゃ……」との声も聞こえてきそうだが、当時は3着プログノーシスとタイム差なし。悲観する内容ではなく、リアルスティールやパンサラッサなど人気盲点の連対もあることで、その重要性がうかがい知れるだろう。
C.ルメールが無双状態にある近年の天皇賞・秋だが、さかのぼればO.ペリエにC.スミヨン、N.ピンナにR.ムーアと短期免許取得の外国人騎手が戴冠というシーンが珍しくない。JRA・GI4勝のC.デムーロなら実績は十分すぎるほどで、異常なハイペースだった近2年よりスローに流れそうな展開予想もこの馬にとって追い風と言えそうだ。
■ジャスティンパレスに【0.1.0.6】の厚い壁
その一方で、昨年ダノンベルーガに先着をはたしたジャスティンパレスにはマイナスデータが浮上。本格化を遂げた昨年以降の大崩れは極悪馬場の前走宝塚記念に限定。当時ほどの悪天候が見込まれない日曜東京で昨年の再現を期待したくなるが、リピート好走を阻むデータとは?
・前走ルメール騎乗かつ今回乗り替わり【0.1.0.6】
7頭のうち勝利を収めた馬はゼロ。このなかには当日2番人気に推されたサートゥルナーリアやダービー馬マカヒキ、単勝6倍と有力候補に数えられていたアンビシャスも該当していたが頂点には手が届かなかった。“勝率0%データ”の壁は高い。
イクイノックスに次ぐ2着の昨年は立派も、当時は1000m通過57秒7の激流かつ、勝ち馬が前に行く馬を潰した展開がハマッた感あり。スローの上がり勝負も考えられる今年のメンバーから、ステイヤー適性が強調された本馬が対応するのは簡単ではないだろう。昨年獲り逃した暮れのグランプリ・有馬記念でメイチを迎えるビジョンを陣営は描いているのかもしれない。
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著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。