今週は、秋の中距離最強馬決定戦、第170回天皇賞・秋(GI、芝2000m)が東京競馬場で行われる。
今年は、三冠牝馬リバティアイランドをはじめ、ダービー・有馬記念を制したドウデュース、大阪杯覇者ベラジオオペラや、ソールオリエンス、ジャスティンパレス、タスティエーラと、GI馬が6頭エントリー。加えて札幌記念を制したノースブリッジや、ホウオウビスケッツ、ダノンベルーガなど、初GIを狙う重賞ウイナーも集結し、頂点を争うのにふさわしい豪華なメンバーが揃った。
そんな中、“令和の盾男”ルメール鞍上のレーベンスティールが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。
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■GI実績がモノをいう舞台と秋の盾を勝てない血脈
遅れてきた大物、レーベンスティールのGI初制覇が大いに期待されている。4歳を迎えた今年、初戦の新潟大賞典こそ気性難が顔を出し、11着に大敗したが、エプソムCでは59キロを背負いながら豪快な差し切り勝ちを決め、前走のオールカマーも好時計で快勝と、素質の高さを証明。近6年で5勝の“令和の盾男”ルメールが鞍上なら、人気も沸騰しそうだ。
とはいえ、天皇賞・秋ではGI実績が大きくモノをいう舞台。過去10年の連対馬20頭中18頭は、過去にGIで連対を果たした実績がある馬。レーベンスティールのGI経験は、香港ヴァーズ(11着)1戦のみで、国内では初挑戦となるだけに、その点は気がかりだ。
加えて、オールカマーからの臨戦組は、過去10年で【1.0.0.17】と低調で、勝ったのは2018年レイデオロのみ。同馬はすでにダービー馬という勲章を持っており、そのあたりはレーベンスティールと異なる。また近年は、春のGIからの直行組が上位を独占する傾向にあり、秋の前哨戦オールカマーを含めて、毎日王冠や京都大賞典を使われた馬は、好結果を残せていない点も減点材料だ。
そして、レーベンスティールの全5勝は1800mと2200mの距離で挙げたもので、すべて非根幹距離で勝利している点も気にかかる。こういうタイプは非根幹距離のレースに特化していることが多く、2000mや2400mで勝ち切れない。
昨秋のセントライト記念で、GI馬ソールオリエンスを完封している点は評価できるが、近2走のエプソムC、オールカマーはややメンバーにも恵まれた印象があり、トップホースが揃った今回、同様に高パフォーマンスを見せることができるかどうか、これまた疑問符が付く。
父リアルスティール、母父トウカイテイオー、その父シンボリルドルフと、オールドファンにはたまらない血脈だが、名馬と言われた面々も、なぜか天皇賞・秋だけは勝つことができなかった。その血を引くレーベンスティールもまた、天皇賞・秋だけは勝てなかった、という因縁がはらんでいても驚けない。
そのようなことも含めて、ルメールの天皇賞・秋3連覇、および3週連続GI制覇の期待も一身に背負うこととなり、その重圧を跳ね返すような実績のないレーベンスティールに1票を投じることはできない。今回は思い切って「消し」でいってみたい。
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◆著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。












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