【朝日杯FS/追い切り診断】想定“10人気”前後に高評価 鞍上が競馬を教え込み「揉まれ弱さ解消」 花開く可能性も……

【朝日杯FS/追い切り診断】想定“10人気”前後に高評価 鞍上が競馬を教え込み「揉まれ弱さ解消」 花開く可能性も……

第76回朝日杯フューチュリティステークス(15日/GI、京都芝1600m)には、無敗で2歳GI制覇を狙うアルテヴェローチェ、黄菊賞圧勝のミュージアムマイル、良血アルレッキーノなどが出走予定。

本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「エイシンワンド」を取り上げる。

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■エイシンワンド

【中間調整】新馬戦、小倉2歳Sと中京芝1200m戦で連勝。スピード任せのタイプでなく、調整も順調だったことから1400m戦の京王杯2歳Sでは2番人気に支持されるも、1秒0差の8着と凡走に終わってしまった。1F延長がどうこうではなく、スタート後しばらくして折り合いがついたところで外から被される形となり、力んだのが敗因のよう。小雨が降っておりノメるような馬場だったのも影響したか。

初の右回り、さらに1F延長と高いハードルは並ぶものの、高いポテンシャルを陣営は信じ予定通り朝日杯FSに向けて調整を再開。エイシンステーブルでの短期放牧を挟んで、11月21日に坂路4F54秒2(馬なり)という中間初時計をマークした。1週前追いには幸騎手が騎乗し、CWで3頭併せ。直線ではかなりタイトな2頭の間をこじ開けるように割って入り、しっかり負荷を掛けられると豪快に抜け出して最先着としている。

【最終追い切り】レース当週も幸騎手が騎乗し、CWで併せ馬。前後に馬を置く隊列で入り、直線手前ではあえて仕掛けを待って先に抜け出した2頭の間に割って入る、実戦想定の内容をこなした。ピタッと折り合って馬の後ろで我慢ができており、3頭併せとなった直線では最優勢の手応えでそれぞれに先着。

【見解】過去3走は坂路メインの調整で、最終追いも坂路。しかし今回は揉まれて力を出し切れなかった前走の反省を踏まえ、CW3頭併せを1週前&最終追いに組み込む調整にシフトしてきた。いずれも馬の後ろで鞍上の仕掛けを待てたし、いざ揉まれる形となっても怯まず脚を伸ばせていたのは好感。特にまったくの馬なりで切れた最終追いの動きは申し分なかった。右回りコース調教でのコーナリングはスムーズで、初の右回りでも割り引く必要はないだろう。主戦・幸騎手が懸命に競馬を教え込んできた成果が、ここで花開く可能性は考えておくべき。

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総合評価「A」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)
【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。