【朝日杯FS/追い切り診断】想定“2桁オッズ”の伏兵に最高評価「S」 機敏なギアチェンジと「ド迫力の伸び」に太鼓判

【朝日杯FS/追い切り診断】想定“2桁オッズ”の伏兵に最高評価「S」 機敏なギアチェンジと「ド迫力の伸び」に太鼓判

第76回朝日杯フューチュリティステークス(15日/GI、京都芝1600m)には、無敗で2歳GI制覇を狙うアルテヴェローチェ、黄菊賞圧勝のミュージアムマイル、良血アルレッキーノなどが出走予定。

本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「タイセイカレント」を取り上げる。

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■タイセイカレント

【中間調整】中京芝1600mの新馬戦は出遅れてしまうも、スピードの違いでハナに立ち結局押し切って快勝。続くサウジアラビアRCもゲート内でソワソワしたところでスタートを切られてしまい、ここではポツンと最後方からの競馬に。初戦と異なる形で戸惑いは大きかったはずだが、直線では馬群を割る形で長くいい脚を使い、2着を確保してみせた。

ここで賞金加算に成功したことから、中9週と間隔を取り再鍛錬したうえで朝日杯FSへ進むことに。ノーザンファームしがらきでの放牧を挟み11月26日に栗東へ帰厩。プール調整から立ち上げ、29日には坂路4F53秒6(馬なり)と上々の初時計をマークしている。1週前のCW併せ馬には坂井騎手が跨り、2歳未勝利を1秒以上先に行かせて追走。直線半ばでもまだ前との差はあったが、仕掛けにスッと反応し一気に回転数を上げると豪快に抜き去って1馬身差の先着とした。

【最終追い切り】レース当週も坂井騎手が騎乗し、坂路で併せ馬。終い重点の緩いペースのなか、やや行きたがるも鞍上が絶妙に制御する。目標とした古馬1勝クラスに取り付いてアオり、ラストで軽く促されるとここでも機敏に回転数を上げ、結局1馬身半差抜け出し先着としている。

【見解】サウジアラビアRCでの2着で手に入れた「中9週」という期間をフルに活用し、休養そして充実の調整が施されている。中間は再三プール調整が行われているが、太め残り解消のためではなく、狭い空間で我慢する感覚を覚えさせるためとのこと。過去2戦で怪しかったゲート内の対策をしっかり考えているのは好感だ。時計を出す調教でも1週前CW、最終坂路の併せ馬でいずれもド迫力の伸びを披露しており、放牧でのパワーアップぶりは顕著だし、今回テン乗りとなる鞍上とのコンタクトも抜群。絶好の気配で本番に臨めそう。

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総合評価「S」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)
【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。