今週は中山競馬場でホープフルS(芝2000m)が行われる。昨年はのちに有馬記念を制したレガレイラが勝利。来年以降を占ううえで見逃せない一戦だ。
ここでは、過去10年データからGI昇格後の2017年以降を参照。アマキヒとジュタにフォーカスしたデータを取り上げる。
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目次
アマキヒに“馬券内率83%”データ
母アパパネ、姉アカイトリノムスメとGI馬が名を連ねる良血・アマキヒが新馬戦勝利から果敢に参戦。キャリアを積んだ重賞ウイナーや2勝馬との比較で分が悪い印象は否めないが、以下データを見ればそのイメージはガラリと変わる。
・C.ルメール騎乗の前走3着内馬【1.2.2.1】
該当馬の馬券内率は83%。記憶に新しいレガレイラ以外にも3番人気2着オーソクレース、6番人気3着キングズレインと人気盲点による好走も多く、C.ルメール×前走3着内馬は“黙って買い”とのデータだ。
秋華賞→菊花賞と連勝後、GI戦線で精彩を欠くC.ルメール。今回も騎乗馬の実績・枠順も含めて人気落ちが予想されるが、先週終了時点でJRA年間175勝の鞍上の手腕を見逃すことはできない。「もうそろそろ……」そんな期待を抱きつつ、マークすべき1頭と捉えたい。
■ジュタに【0.0.0.14】の不安要素
クロワデュノールと同じ前走東京芝1800m組でも、ジュタには不安要素あり。初陣を飾った前走は好位のインから抜け出すレースセンス抜群の勝ち方。名門・矢作厩舎が送り込む3億円ホースに大駆けの期待がかかるなか、浮上したのは以下のデータだ。
・前走オープンクラスを除く1800m組【0.0.0.14】
全頭が馬券外という事実のみならず、ひと桁着順も2頭のみと目も当てられない成績。ローテーション的には同じ前走1800m組でも、オープンクラスから臨むか否かで明暗がくっきりと分かれてしまった。
ジュタについて補足すると、そのバックボーンから将来は重賞級の馬に進化を遂げる可能性が高いと思う。しかし、まだ完成には程遠い感もあり、今回は初の中山と距離、さらには外枠と三重苦を跳ねのける戦いだ。今回は評価を下げる形とするが、早ければ来春の大きなところで見る機会が訪れるだろう。
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著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。