ヤンキースのジャンカルロ・スタントン外野手は17日(日本時間18日)、昨季から続く両肘の痛みを「非常に高いレベルのもの」と話し、腱に断裂があることを明かした。アーロン・ブーン監督によると「テニス肘に似た症状」だそうで、開幕に間に合わない可能性が高まっている。
米メディア『The Athletic』は、スタントンの故障原因としてメジャー屈指の強烈なフルスイングを指摘。ここでは、スタントンの怪力を裏付ける「Fast-swing Rate(高速スイング率)」に注目する。
◆大谷翔平1位、ジャッジ2位の公式ランキングにヤ軍実況アナが猛反発「どの惑星の話だ」 LAメディア「疑いの余地はない」
■メジャー最速のバットスピード
MLB公式のデータページ『Baseball Savant』によると、昨季のスタントンは全打者最速の平均バットスピード81.3マイル(約130.8キロ)を計測。2位がオニール・クルーズ外野手(パイレーツ)の78.6マイル(約126.5キロ)で大きな開きがあった。
また、全スイングのうち75マイル(約120.7キロ)以上の割合を示す「Fast-swing Rate(高速スイング率)」では、驚異の98.7%を記録。これは、2位のカイル・シュワーバー外野手(フィリーズ)の78.0%を引き離してダントツトップに。スタントンがいかに常時フルスイングをしているかを示している。
■「現在はバットが振れないほど悪化」
『The Athletic』は18日(同19日)、「医師:ヤンキースのジャンカルロ・スタントンの暴力的なスイングが故障の原因かもしれない理由」と題した記事を公開。専門医の見解として「強くスイングするほどバットを握る力が増し、肘への負担が大きくなる」と報じた。
また、ニューヨーク大学の整形外科医ギレム・ゴンザレス=ロマス氏は「回復期間は個人差があり、数週間で治る人もいれば6カ月かかる人もいる」と指摘。「昨季は痛みに耐えてプレーしていたが、現在はバットが振れないほど悪化している。復帰には『痛み』が『違和感』に変わるまで待つ必要がある」と述べており、復帰時期の見通しは立っていない。
Fast-swing Rate
全スイングのうち、バットスピードが75マイル(約120.7キロ)に達した割合を示す。打撃成績はこのラインを境に向上し、長打率やハードヒット率にも大きな影響を与える。スタントンのケースは、強烈なフルスイングが生むリスクを浮き彫りにしている。
◆大谷翔平は「全てが桁違い」 元同僚フラハティは“謙虚な素顔”を称賛「誰にでもオープンで、プロフェッショナル」
◆「これはビジネス」ゲレーロJr.が今オフFA市場へ ブ軍との契約延長交渉が決裂 大谷翔平、ソトに続く大争奪戦はNY2球団が中心か
◆【動画アリ】イチロー氏と“球団公式犬”タッカー君の心温まるトレーニングが話題に 地元メディア「マリナーズキャンプで最高の動画」