【菊花賞/危険な人気馬】神戸新聞杯組の取捨がポイント クラシック最後の一冠で「買うべきではない」1頭とは

今週は阪神競馬場で第82回・菊花賞(GI、芝3000m)が行われる。ダービー1、2着馬が出走しないクラシック最終戦となったが、神戸新聞杯でシャフリヤールを撃破したステラヴェローチェ、2着馬のレッドジェネシスや、前哨戦のセントライト記念で伏兵評価ながら勝利したアサマノイタズラ、実績馬のオーソクレース、本番で巻き返しを目論むタイトルホルダーなどが出走予定だ。

ここでは菊花賞の好走パターンと菊花賞馬の共通点を読み解き、馬券のヒントとなる「危険な人気馬」としてステラヴェローチェを取り上げたい。

◆【菊花賞2021予想/穴馬アナライズ・前編】ステラヴェローチェは「△」評価 過去10年で13頭が好走した“買い”条件

【菊花賞/穴馬アナライズ】ステラヴェローチェは「△」評価 過去10年で13頭が好走した“買い”条件

■ダービー馬撃破で評価の高いステラヴェローチェの明と暗

まずは、ステラヴェローチェの近3走について考察する。

3走前の皐月賞(中山芝2000m)は、内枠からのスタートで後ろに下げ後方13番手からのレースとなった。向こう正面でハミを噛む場面があったものの、上手くインで我慢をして4コーナー過ぎに進出、内から馬群を縫うように末脚を伸ばし3着と好走した。ダービーを見据えた騎乗だったように感じるが、荒れた内から伸ばした末脚はパワフルさを感じさせるものだった。2走前のダービーでもスタートから後方13番手に控える競馬をし、直線ではエフフォーリア、シャフリヤールに並ぶ、上がり最速タイの末脚で急追し3着に好走した。

そして前走の神戸新聞杯。大雨×不良馬場というタフな条件でのレースとなったが、これまで通り後方からの競馬で末脚を溜め、直線に入ると伸びあぐねるシャフリヤールやキングストンボーイらを横目に馬場中央から馬群を縫うように末脚を伸ばし、2つ目の重賞タイトルを獲得した。

戦歴からも「世代屈指の末脚を持ち、馬場条件問わず好走できる」と評価することもでき、また前走でダービー馬シャフリヤールを撃破した事で必然的にこの馬の評価も上がるだろう。しかし、今回は三冠の中で最も「強い馬が勝つ」と言われている菊花賞。不良馬場で2戦2勝とタフさを見せているステラヴェローチェだが菊花賞の好走パターンとデビュー戦からの陣営の意図に対して一抹の不安が残ってしまう。

◆【菊花賞2021予想/追い切りジャッジ】ステラヴェローチェを上回る「S」評価 「勝ち負けを意識できる」

【菊花賞/追い切りジャッジ】ステラヴェローチェを上回る「S」評価 「勝ち負けを意識できる」

■菊花賞は隠れステイヤーを狙え

次に菊花賞の好走パターンについて分析する。

・神戸新聞杯【8-5-4-49】 勝率12.1%、連対率19.7%、複勝率25.8%
・セントライト記念【1-3-2-46】勝率1.9%、連対率7.7%、複勝率11.5%
・ラジオNIKKEI賞【1-0-0-0】 勝率100.0%、連対率100.0%、複勝率100.0%
・札幌記念【0-1-0-2】 勝率0.0%、連対率33.3%、複勝率33.3%

このように前哨戦の神戸新聞杯組が過去10年で最多となる8勝を挙げているわけだが、近10年で見ると意外にも神戸新聞杯で惜敗した馬が本番で好走するケースが増えている。

・2019年(神戸新聞杯)
 1着サートゥルナーリア→天皇賞・秋6着
 2着ヴェロックス→菊花賞3着
 3着ワールドプレミア→菊花賞1着

・2018年(神戸新聞杯)
 1着ワグネリアン→大阪杯3着
 2着エタリオウ→菊花賞2着

・2017年(神戸新聞杯)
 1着レイデオロ→ジャパンC2着
 2着キセキ→菊花賞1着

・2016年(神戸新聞杯)
 1着サトノダイヤモンド→菊花賞1着
 5着エアスピネル→菊花賞3着

・2014年(神戸新聞杯)
 1着ワンアンドオンリー→菊花賞9着
 3着トーホウジャッカル→菊花賞1着
 2着サウンズオブアース→菊花賞2着

日本ダービーから5ケ月、ひと夏を越して行われる神戸新聞杯だが、近年はダービーの延長線とも言える同じメンバー構成で、レース展開も酷似している。そのダービーはスローペースになりやすく中距離馬でも好走可能な舞台。神戸新聞杯も中距離馬でも好走は可能で、昨年のコントレイルをはじめ、2019年のサートゥルナーリア、18年ワグネリアン、17年レイデオロなど、生粋のステイヤーとは言えない馬が勝利している。つまり、神戸新聞杯惜敗組や別路線組に「隠れステイヤー」がいるというわけだ。

◆【菊花賞2021予想/データ攻略・後編】阪神芝内回りがプラスに働く穴馬、父の得意舞台で波乱を巻き起こす

【菊花賞/データ攻略】阪神芝内回り開催がプラスに働く穴馬、父の得意舞台で波乱を巻き起こせるか

■歴代菊花賞馬のデビュー戦は陣営の意図する距離

次に、歴代の菊花賞馬のデビュー戦の「距離」に着目する。

このようにマイルからデビューし、菊花賞馬になったのは三冠馬オルフェーヴル1頭のみだった。

今回上位人気想定のステラヴェローチェは皐月賞・ダービーともに3着と好走したものの、デビューから3戦連続でマイルを使っており朝日杯FSでレコードタイムに対応していたことからも本質的にマイラー気質が強いといえよう。

つまり、オルフェーヴル並みの破壊力、スタミナがあると言えないステラヴェローチェは厳しい戦いを強いられるだろう。

■馬券の妙味を考えると最終結論は「消し」

ここまでステラヴェローチェ関する不安要素を紹介したが、ダービー1、2着馬が出走しないクラシック最終戦へ駒を進めてくれたことに敬意を表したい。

ただ、馬券の妙味を考えると、ここは「消し」の評価。

本命は別路線組からの隠れステイヤーがいるとして、タイトルホルダーを指名する。前走は馬群に包まれて全く競馬が出来なかった為、度外視でいい。姉のメロディーレーンは350キロにも満たない小柄な牝馬だが、19年の菊花賞に出走し5着に好走した。血統背景からも距離延長は歓迎のクチで巻き返しに期待がかかる。対抗はディヴァインラヴ。前走の木曽川特別(2勝クラス)では骨っぽい相手に正攻法の競馬で完勝している。騎乗予定の福永祐一騎手は菊花賞と相性が良く、過去10年で「2-3-0-5」と最多タイとなる2勝を挙げ複勝率も50%を誇る。牝馬が菊花賞を制すれば74年ぶりの快挙となるだけに好走に期待したい。

以下、押さえでヴァイスメテオールグラティアスヴィクティファルスオーソクレースとする。グラティアスは前走セントライト記念で3番人気に推されるも、展開に恵まれず9着に敗れた。今回8枠16番に入り、一見不利にも見えるが同距離の阪神大賞典において8枠は「4角4番手以内の先行馬」が過去10年で4勝を挙げているだけに8枠から先行し長く良い脚を使えるこの馬にとっては好条件なのだ。グラティアスが波乱の立役者になることも想定しておきたい。

菊花賞2021予想コラム一覧

▼追い切り予想
◆【S評価】ステラヴェローチェを上回る「S」評価 「勝ち負けを意識できる」

◆【A評価】厩舎流の「長距離馬仕上げ」で菊制覇へ 前走好走馬に「A」評価

◆【A評価】「A」評価は前走快勝の伏兵馬 「大仕事の可能性は十分にある」

◆【B評価】ステラヴェローチェに辛口「B」評価 併せ遅れで「精神面に波がある」

▼データ予想
◆【データ攻略/前編】オーソクレースに鬼門データ 狙いは馬券内率80%を誇る関西の“刺客”

◆【データ攻略/後編】阪神芝内回りがプラスに働く穴馬、父の得意舞台で波乱を巻き起こす

◆【騎手データ】阪神芝3000mの条件で浮上 “爆穴”の可能性を秘めた「騎手×関西馬」の組み合わせ

▼穴馬予想
◆【穴馬アナライズ・前編】ステラヴェローチェは「△」評価 過去10年で13頭が好走した“買い”条件

◆【菊花賞2021予想/穴馬アナライズ】単勝30倍前後の“盲点” 狙いは「春クラシック未出走組」

▼その他データ傾向
◆【枠順傾向】ステラヴェローチェの7枠は阪神開催でマイナス材料 注目は最多4勝の「8枠」

◆【脚質傾向】阪神開催はステラヴェローチェにとって不安材料 先行で惨敗の伏兵馬を狙え

◆【前走ローテ】前走・神戸新聞杯組を素直に信頼も、別路線組に勝率100%データ

◆【人気傾向】圧倒的人気馬は好成績も、オッズ混戦なら“大波乱”の様相

文・西舘洸希(SPREAD編集部)


この記事が気に入ったらフォローしよう

最新情報をお届けします