今週は阪神競馬場で菊花賞(芝3000m)が行われる。
皐月賞勝ち馬エフフォーリア、ダービー馬シャフリヤール不在で混戦ムードが漂う今年。例年とは異なる阪神芝内回り3000mが舞台とあって、波乱含みの一戦だ。
この記事ではデータ面から菊花賞を紐解き、攻略への糸口を見つけていきたい。
◆【菊花賞2021予想/データ攻略・後編】阪神芝内回り開催がプラスに働く穴馬、父の得意舞台で波乱を巻き起こせるか
■オーソクレースに立ちはだかる「斤量57キロ」の壁
ホープフルSを2着好走後は休養。休み明け初戦のセントライト記念を3着とし、上々の滑り出しで最後の一冠に臨むオーソクレース。母マリアライトが制した阪神芝内回りGIの舞台にC.ルメールとのコンビで迎える今回。不参加に終わった春のうっぷんを晴らすパフォーマンスが期待されるが、ここは「斤量」の不安要素が立ちはだかる。
・斤量56キロ以上で連対なし【0-0-1-22】
馬券内を確保したのはエアスピネルただ1頭。春のクラシック2戦で掲示板内に入っていた同馬ですら3着が精いっぱいだったことを考えると、鬼門のデータと言えよう。斤量克服に加え、大外枠という条件も決して楽ではない。好走へのハードルは高いものとなりそうだ。
■レッドジェネシスを後押しする「馬券内率80%」データ
秋初戦の神戸新聞杯はステラヴェローチェとタイム差なしの2着。改めてその自力を証明したレッドジェネシス。有力馬がこぞって回避した今年は絶好のチャンス到来。そんな状況をさらに後押しするのがこちらのデータだ。
・前走3着内かつ芝2200m以上の重賞掲示板内がある友道厩舎所属馬【1-2-1-1】
馬券内率に換算すると80%。菊花賞を制したワールドプレミアや13人気3着と波乱を演出したポポカテペトルもこれに該当しており、信頼度の高いデータと言えるだろう。「人」の部分が背中を押すレッドジェネシス。このレースをきっかけに世代の主役へと名乗りを上げたいところだ。
後編ではデータ面から浮上する菊花賞の穴馬候補2頭を紹介する。
◆【菊花賞2021予想/データ攻略・後編】阪神芝内回り開催がプラスに働く穴馬、父の得意舞台で波乱を巻き起こせるか
菊花賞2021予想コラム一覧
▼追い切り予想
◆【S評価】ステラヴェローチェを上回る「S」評価 「勝ち負けを意識できる」
◆【A評価】厩舎流の「長距離馬仕上げ」で菊制覇へ 前走好走馬に「A」評価
◆【A評価】「A」評価は前走快勝の伏兵馬 「大仕事の可能性は十分にある」
◆【B評価】ステラヴェローチェに辛口「B」評価 併せ遅れで「精神面に波がある」
▼データ予想
◆【騎手データ】阪神芝3000mの条件で浮上 “爆穴”の可能性を秘めた「騎手×関西馬」の組み合わせ
▼穴馬予想
◆【穴馬アナライズ・前編】ステラヴェローチェは「△」評価 過去10年で13頭が好走した“買い”条件
◆【穴馬アナライズ・後編】単勝30倍前後の“盲点” 狙いは「春クラシック未出走組」
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▼その他データ傾向
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◆【前走ローテ】前走・神戸新聞杯組を素直に信頼も、別路線組に勝率100%データ
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▼競馬ストーリーテラー・田原基成の重賞分析TV「菊花賞」
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。