「前編」ではコントレイルの不安材料を挙げ、消しの評価としたが、「後編」ではコントレイルに代わる本命、そして穴馬3頭を含めた対抗以下の結論を紹介する。
◆【天皇賞・秋/危険な人気馬-前編】3強の一角は“消し” 上がり3F重視の秋天で「買うべきではない」1頭とは
■天皇賞・秋はマイラー実績馬を狙え
まずは天皇賞・秋の好走パターンについて分析する。近年は前走・安田記念のローテを歩んできた馬が連対率50%、複勝率50%と好成績を収めているように、近10年で見るとレース以前にマイル重賞で勝利経験がある馬の好走が増えている。
毎日王冠 【3-2-5-39】 勝率6.1%、連対率10.2%、複勝率20.4%
安田記念 【2-2-0-4】 勝率25.0%、連対率50.0%、複勝率50.0%
札幌記念 【2-1-0-13】 勝率12.5%、連対率18.8%、複勝率18.8%
宝塚記念 【1-3-3-16】 勝率4.3%、連対率17.4%、複勝率30.4%
このように前走安田記念のローテを歩んできた馬が連対率50%、複勝率50%と好成績を収めているように、近10年で見るとレース以前にマイル重賞で勝利経験がある馬の好走が増えている。
・2020年(天皇賞・秋)
1着アーモンドアイ→ヴィクトリアマイル、桜花賞、シンザン記念
3着クロノジェネシス→クイーンC
・2019年(天皇賞・秋)
1着アーモンドアイ→桜花賞、シンザン記念
2着ダノンプレミアム→サウジRC、朝日杯FS、マイラーズC
3着アエロリット→NHKマイルC
・2018年(天皇賞・秋)
2着サングレーザー→マイラーズC
・2017年(天皇賞・秋)
3着レインボーライン→アーリントンC
・2016年(天皇賞・秋)
1着モーリス→チャンピオンズマイル、香港マイル、マイルCS、安田記念、ダービー卿CT
3着ステファノス→富士S
・2015年(天皇賞・秋)
2着ステファノス→富士S
・2014年(天皇賞・秋)
2着ジェンティルドンナ→桜花賞、シンザン記念
天皇賞・秋は、上がり1~3位の末脚を記録した馬が過去10年で「連対率100%」を記録しているようにスピード決着になりやすいレースでもある。ラップタイムやレース展開がマイルレースと酷似していることからもマイラーが好走可能な舞台なのだ。
◆【天皇賞秋2021予想/追い切りジャッジ】グランアレグリアを上回る高評価 「悔しさを晴らす意思が見て取れる」
■大穴ならマイル実績十分のカイザーミノル
本命は東京競馬場で3戦連続「上がり最速」を記録している、グランアレグリアを指名する。前走はヴィクトリアマイルから中2週のローテが影響したのか、反応が鈍くなり差し遅れて2着に敗れてしまった。それでも上がりは最速の32秒9と相変わらずの鬼脚を持っており、上がり最速馬が過去10年で4勝しているデータも追い風になるだろう。
対抗はエフフォーリア。疑いの余地もない最強3歳世代の中でトップクラスの競馬センスとスピードを兼ね備えている。ダービーではシャフリヤールにハナ差屈したものの、敗因は1枠から進路が狭くなってしまったことが全てであろう。先行脚質から速い上がりも使える万能系で距離短縮も歓迎。アタマまであってもいい。
以下、押さえでポタジェ、カレンブーケドール、カイザーミノル、ペルシアンナイトとする。
カイザーミノルは前走毎日王冠で低評価に推されるも5着に好走。ゴール入線後も一頭だけ元気良く走っていた様子から2000mへの距離延長も問題ない。またマイラーズCにて1分31秒6の高速決着に対応して3着に好走したことから天皇賞秋でも好走できるとみた。横山典弘騎手の連続騎乗も心強く、人馬ともに波乱の立役者となってほしいところだ。
◆【天皇賞秋2021予想/危険な人気馬・前編】3強の一角は“消し” 上がり3F重視の秋天で「買うべきではない」1頭とは
天皇賞秋2021予想コラム一覧
▼データ予想
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◆【データ攻略/前編】コントレイルに不安データ 注目は「馬券内率100%」が示すあの馬
◆【データ攻略/後編】3強の牙城を崩す伏兵馬、「5-0-0-0」の追い風が波乱を巻き起こすか
▼追い切り予想
◆【S評価】最高評価「S」は最高潮の域に達した有力馬 「ここがメイチの仕上げ」
◆【B評価】グランアレグリアは「B」の低評価 最終追いの反応遅れに「唸るような迫力が……」
◆【A評価】グランアレグリアを上回る高評価 「悔しさを晴らす意思が見て取れる」
◆【A評価】推定10人気以下の伏兵に「A」評価、ベスト条件で「目論見通り気配アップ」
▼穴馬予想
◆【穴馬アナライズ・後編】3強崩しの“惑星”は単勝万馬券 強調できる「買い」材料
◆【穴馬アナライズ・前編】エフフォーリアは「△」評価 “3強”のうち2頭に不安要素
▼その他データ傾向
◆【枠順傾向】3強の一角エフフォーリアが入った3枠は、過去10年で「連対数0回」の“鬼門”
◆【脚質傾向】上がり1~3位馬が「複勝率100%」 府中で末脚崩れないグランアレグリアは不動か
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文・西舘洸希(SPREAD編集部)