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第5位 ホンダF1撤退、最終年最終戦最終周でレッドブルのフェルスタッペンが年間王者を奪取

インタビューに応じたマックス・フェルスタッペン(2021年4月29日)(C) Red Bull Racing Honda
1960年代、80年代、2000年代、そして2010年代と4期にわたってモータースポーツの最高峰F1に挑戦し続けてきたホンダが2020年10月2日、2021年シーズンを持ってF1からの撤退を発表。
今季を最終年とし、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、セルジオ・ペレス、アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー、角田裕毅の4台体制で挑んだ。中でもエースのフェルスタッペンは、F1 7度制覇の絶対王者メルセデスのルイス・ハミルトンと真っ向勝負となり、ドライバーズ・チャンピオン争いを同点で最終戦を迎えた。
上位でフィニッシュした者が王者という決定戦で、ポールポジションながらスタートに失敗したフェルスタッペンは終始ハミルトンに遅れをとりレースは終盤へ。レース中の事故が幸いし、セーフティー・カー導入から再スタートを切ったシーズン最終周、土壇場でレッドブルのマシンがメルセデスをパス、そのままチェッカーを切り、ホンダ・エンジンで走りきったフェルスタッペンが自身初の、ホンダにとっては1991年のアイルトン・セナ以来のドライバーズ・チャンピオンを獲得した。
レース・スチュワードの判断が問題視されるレースとなり後味の悪さは残ったが、日本のモータースポーツ・ファンにとって最高の幕切れとなった点は否めないだろう。ホンダ、実に30年ぶりのチャンピオン、非常に感慨深い。
第4位 笹生優花と畑岡奈紗のメジャープレーオフ末、笹生が全米女子オープン初優勝の快挙

悲願のメジャー初優勝を飾った笹生優花(C)Getty Images
第76回全米女子オープンは6月6日、カリフォルニア州オリンピッククラブ・レイクコースで最終日が行われ、笹生優花と畑岡奈紗が通算4アンダーと首位で並び、日本選手同士による初の米メジャー大会プレーオフに持ち込まれた。
結果、プレーオフ第3ホール目で笹生がバーディーを決め初優勝。日本の女子選手として、1977年の樋口久子(全米プロゴルフ選手権)、2019年の渋野日向子(全英女子オープン)以来、3人目となるメジャー大会制覇を成し遂げた。
女子ゴルフは一昨年、渋野による42年ぶりの快挙に湧いたばかりだったが、黄金世代からプラチナ世代と呼ばれる選手層の厚さが、すぐさま偉業として目に見える結果に結びついた。国内でも女子ゴルフ人気の趨勢はごぞんじの通り。またすぐさまメジャーを制する選手が輩出されるのか、期待。
第3位 バスケットボール日本女子代表が銀メダルを獲得
東京五輪では多くの日本選手がメダルを獲得。アスリートにとっては、それまでの労苦が実を結んだ大会だったと捉えたい。だが、ひとつひとつの偉業についてこちらのランキングで取り上げたのでは、10大ニュースどころではなくなってしまうので、お察しの通り東京五輪を素通りして来た。
ただし、ひとつこの快挙だけは記しておかなければならない。バスケットボール日本女子代表が、並みいる競合を打ち破り銀メダルを奪取した。
もともと男子よりも女子のほうが「世界に近い」と囁かれ、少なくともアジアでは4連覇中(今年5連覇を達成)、日本バスケットボール協会三屋裕子会長の口からも「女子はメダル」という発言が飛び出すほどだった。
ところが、WNBAでも活躍した絶対エースの渡嘉敷来夢はケガでメンバーから外れ、危機感が漂っていたのも事実。高さが求められるコンタクトスポーツの中で、果たしてどこまで実力を出し切れるかは本番まで不透明だった。
それが身長では及ばないヨーロッパの競合を次々と撃破。決勝で五輪6連覇中(つまり東京で7連覇達成)、絶対女王のアメリカ代表に敗れはしたもの、それに次ぐ銀メダルなど、まさに夢のような出来事だった。
アメリカ男子が東京五輪で4連覇達成という点を考えれば、アメリカ女子がいかにバスケ界に君臨している理解されるだろう。その次点とあれば、銀メダルでも十二分にあっぱれ!
第2位 松山英樹がアジア人として初めて米メジャー大会を制覇

アジア人初のマスターズ 優勝を果たした松山英樹 (C)Getty Images
正直、今年の1位はどちらにすべきなのではないかと今もって悩むところ。これまで青木功、ジャンボ尾崎、中嶋常幸、丸山茂樹などなどの先人が挑んでは跳ね返されてきたゴルフの米メジャー制覇、それをついにやってのける男が現れた。しかも、あの「マスターズで」だ。
第85回となるPGAメジャー大会「マスターズ・トーナメント」は4月11日、ジョージア州オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブで最終日が行われ、松山英樹が通算10アンダーで優勝、アジア人として初めてとなるPGAメジャー大会制覇を果たした。
優勝後のコメントを求められ、ただ「サンキュー」とだけ応える松山の姿を目にし、このひと言にどれだけの思いが込められているか想像しただけで、少々目頭が熱くなってしまった。まさに日本のゴルフ史の金字塔として長くファンの記憶に残る偉業だろう。
松山は今後、さらにメジャー大会を制するゴルファーとなるのか……期待大。
第1位 エンゼルスの大谷翔平、「スポーツ・パーソン・オブ・ザ・イヤー」ならず

エンゼルス・大谷翔平(C)Getty Images
松山には悪いが、今年は「大谷イヤー」として差し支えないだろう。二刀流でのMLBオールスター出場など、その快挙を数えるといとまなく、またオフシーズンに入ってもなお、いったい現在、何冠目なのかわからないほど「賞タイム」の連続。
大谷を1位に据えるにしても、どのシーンを切り取ろうかと唸ったものの逆に昨年、大坂なおみも受賞した米老舗誌『スポーツ・イラストレーテッド』の「スポーツパーソン・オブ・ザ・イヤー」に選出 “されなかった”という点で少々驚いた。ゆえに、こちらを2021年の1位とした。
選出されたのは、NFLのレジェンド、トム・ブレイディだった。このあたりに少し「アメリカらしさ」をぷんぷんと感じる。
大谷がMLBのMVPに選出されるにあたりアメリカの記者が「大谷が毎年、こんな活躍を続けるとMVPは大谷しか獲れなくなってしまう。この際は『大谷翔平賞』を特別に作り、彼にはそれを授与したほうがよいのではないか」と発言していた。言い得て妙だと思ったが、そうするとこの「10大ニュース」シリーズも毎年、大谷が1位に……などという現象が生じるかかもしれない。
はて、来年、大谷はどこまで我々を驚かしてくれるのだろうか。楽しみだ。
さて、みなさんの今年のトップ10ニュースはいかがだっただろうか。ぜひご自身でも2021年のスポーツを振り返ってもらいたい。
それではみなさん、来年こそは良いお年を。
著者プロフィール
たまさぶろ●エッセイスト、BAR評論家、スポーツ・プロデューサー
『週刊宝石』『FMステーション』などにて編集者を務めた後、渡米。ニューヨーク大学などで創作、ジャーナリズムを学び、この頃からフリーランスとして活動。Berlitz Translation Services Inc.、CNN Inc.本社勤務などを経て帰国。
MSNスポーツと『Number』の協業サイト運営、MLB日本語公式サイトをマネジメントするなど、スポーツ・プロデューサーとしても活躍。
推定市場価格1000万円超のコレクションを有する雑誌創刊号マニアでもある。
リトルリーグ時代に神宮球場を行進して以来、チームの勝率が若松勉の打率よりも低い頃からの東京ヤクルトスワローズ・ファン。MLBはその流れで、クイーンズ区住民だったこともあり、ニューヨーク・メッツ推し。




















