14日に新潟競馬場で行われる関屋記念(GIII、芝1600m)の「血統傾向」を分析する。
安田記念8着から巻き返しを図るイルーシヴパンサーや、京王杯スプリングC2着から悲願の重賞制覇に挑むスカイグルーヴ、一昨年のホープフルS以来の重賞制覇を狙うダノンザキッド、サマーマイル王者制覇を目指すウインカーネリアンら、GIIIとは思えない豪華メンバーが揃った。
◆【関屋記念2022予想/データ攻略-前編】ウインカーネリアンを「馬券内率100%」が後押し 人気一角の不安要素とは
ここでは、血統データから読みとく関屋記念の推奨馬を紹介する。
■ストームバードの血に注目
データは2017年以降の関屋記念を集計。3着内馬の血統表は以下の通り。

まず、ディープインパクト産駒は計3勝をあげているが、2019年に1番人気で1着のミッキーグローリー、同じく2018年に1番人気で勝利したプリモシーンが含まれているなど、一桁オッズの馬のみが馬券内に好走。これを踏まえるとディープ系以外のところから推奨馬を狙いたくなる。
他の種牡馬を見ていくと、ゴスホークケンやロードカナロア、キズナといった米国血統のストームバードを内包している血統の好走が目立つ。これは長い直線を有すが、平坦であるコース形状がポイント。後半に高低差が少ないことでスピードの高い馬が好位からそのまま押し切ることが多い。そのためスピードの持続性の高い米国型のノーザンダンサー系であるストームバードの能力が活かされるのだろう。そこで今回はストームバードを内包する馬から推奨馬をピックアップしたい。
◆【関屋記念2022予想/危険な人気馬】重賞好走中の人気馬は“消し”評価 「連対馬の条件を満たしていない」
1頭目は、母父にストームバード系のジャイアンツコーズウェイを持つシュリ。近走は折り合いに難しい面が目立つようになってきたこともあり、成績が不調だが、距離短縮はプラスに働きそう。さらに血統データ面でも、2017年以降の芝レースで、父ハーツクライ×母父ストームバード系の牡馬は前走1800mから1600mへの距離短縮ローテだと【2-1-2-4】(勝率22.2%、連対率33.3%、複勝率55.6%/単回収値268)と高い複勝率と回収率を叩き出している。なかでも前走5着以下に敗れていた場合【2-1-1-1】(勝率40.0%、連対率60.0%、複勝率80.0%/単回収値484)。距離短縮で挑んだ今年の京都金杯ではボコボコした馬場を気にして走っていたようで10着に敗れたが、綺麗な馬場で走ることができれば重賞でも通用するだろう。
◆【関屋記念2022予想/追い切り診断】高評価「A」は人気の実績馬 重苦しさを一切感じない「好仕上がり」
2頭目は父がストームバード系のディスクリートキャットであるワールドバローズをピックアップ。この血統配合はコース適性がはっきりしており、2017年以降の芝レースで、父ストームバード系×母父ディープインパクトの牡馬は右回りだと38戦して1勝しか勝てておらず苦手としている傾向。対して左回りだと【8-3-2-14】(勝率29.6%、連対率40.7%、複勝率48.1%/単回収値135)と非常に高い勝率をマーク。なかでもマイル戦は【6-1-1-5】(勝率46.2%、連対率53.8%、複勝率61.5%/単回収値216)と非常に得意にしており、前走から距離を伸ばすのはプラスに働きそう。2走前の東京新聞杯では、昇級初戦ということもあり7着に敗れたが、今回はペース慣れが見込めて反応も良くなると読み本命に推したい。
▼その他、過去10年データ傾向
◆【関屋記念2022/枠順】人気馬が連対率ゼロ%の“鬼門”に イルーシヴパンサーは1枠1番
◆【関屋記念2022/脚質傾向】逃げの単勝回収値がトップ「168」も、注目すべき上がり3Fの順位
◆【関屋記念2022/前走ローテ】本命の中京記念組が不在 狙うべき穴馬とは
◆【動画プレーバック/関屋記念2021】4人気ロータスランドが内から押し切って重賞初制覇
関屋記念2022予想コラム一覧
▼追い切り診断
◆【追い切り診断】「どうしても気になる」 辛口「B」評価は人気一角のイルーシヴパンサー
◆【追い切り診断】高評価「A」は人気の実績馬 重苦しさを一切感じない「好仕上がり」
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◆【追い切り診断】ダノンザキッドに並ぶ「A」評価の伏兵 「勝ち負けの走りがあって不思議はない」
▼穴馬予想
◆【穴馬アナライズVol.1】想定“10人気”前後の伏兵 「まとめて差し切るシーンがあっていい」
◆【穴馬アナライズVol.2】前走惜敗で“人気落ち”の実力馬 「大激走があっていい」
◆【穴馬アナライズVol.3】想定オッズ“2桁”の上がり馬 「タイトル奪取があっても驚けない」
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▼データ予想
◆【データ攻略-前編】ウインカーネリアンを「馬券内率100%」が後押し 人気一角の不安要素とは
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◆【騎手データ】ダノンザキッドに“黄信号” 狙いは「馬券内率5割」を誇る関東のジョッキー
文●中井達也(SPREAD編集部)