25日に中山競馬場で行われるオールカマー(GII、芝2200m)の「血統傾向」を分析する。
2020年の秋華賞以来の勝利を目指すデアリングタクトや、昨年のチャレンジC優勝後の骨折から復帰戦となるソーヴァリアントをはじめ、前走の鳴尾記念で長期休養明けながら勝利したヴェルトライゼンデ、天皇賞・春で3着と好走のテーオーロイヤルら、様々な路線を見据える実力馬が集結した。
ここでは、血統データから読みとくオールカマーの推奨馬を紹介する。
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■スタミナ豊富なステイゴールドの血
データは2017年以降のオールカマーを集計。3着内馬の血統表は以下の通り。
過去5年の3着内種牡馬をみると、10頭中7頭はサンデー系種牡馬で、うち5頭はマンハッタンカフェやゼンノロブロイ、ゴールドシップなど現役時に有馬記念を勝利していた種牡馬が目立つ。同じ中山非根幹距離で開催される重賞であり、強い相関関係にあるのだろう。なかでも有馬記念で大活躍のステイゴールド系種牡馬が2019年に4番人気で1着のスティッフェリオや昨年5番人気2着のウインキートスなど3年連続で馬券に絡んでおり、近年のトレンドと言えそうだ。
その理由はコース形態とレース展開にもあり、中山芝2200mは、スタンド前の4コーナー付近からスタートする外回りコースで、加えて当レースには1600~2000mからの距離延長馬も多く、息を入れるタイミングが少ない傾向にあり、ラップが緩みにくい。そこで、スタミナに富んだステイゴールド産駒の出番というわけだ。今回はステイゴールド系の2頭を推奨馬としてピックアップしたい。
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1頭目は、前走の目黒記念で3着と復活の兆しをみせたゴールドシップ産駒のウインキートスだ。父ゴールドシップの牝馬は、古馬になってからも重賞で強さを発揮するタイプで、4歳以降に2000m以上の芝重賞に出走すると【2.1.1.8】(勝率16.7%、連対率25.0%、複勝率33.3%/単回収値260)と好成績。ウインキートス自体、4歳となった昨年は目黒記念を勝ち、本レースでも2着に入るなどスタミナ豊富で消耗戦に強さを見せている。そもそも、中山の舞台は【2.5.1.4】と得意にしており、前走同様スムーズに前で競馬出来れば再度の好走も可能だろう。
2頭目は、オルフェーヴル産駒のソーヴァリアントに注目したい。骨折休養明けのレースとなるが、父オルフェーヴルの牡馬が、半年以上ぶりの出走時、芝2000m未満のレースに出走した場合は【0.1.1.16】と勝てておらず不振傾向にある。しかし芝2000m以上の場合、【4.4.1.9】(勝率22.2%、連対率44.4%、複勝率50.0%/複回収値182)と長距離戦なら間隔を空けたローテーションも苦にしていない。なかでもキャリアが9戦以下だと【4.2.0.5】(勝率36.4%、連対率、複勝率54.5%/単回収値140、複回収値104)。キャリア9戦のフレッシュな当馬なら、骨折明けからいきなりやれてもおかしくないだろう。
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オールカマー2022予想コラム一覧
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文●中井達也(SPREAD編集部)