【オールカマー/危険な人気馬】想定1人気の三冠牝馬は“消し”評価 復調気配も「付け入る隙がある」

 

【オールカマー/危険な人気馬】想定1人気の三冠牝馬は“消し”評価 復調気配も「付け入る隙がある」

25日、中山競馬場で第68回オールカマー(GII、芝2200m)が行われる。

出走予定馬を見てみると、2020年に牝馬三冠を達成したデアリングタクトをはじめ、前走の天皇賞・春で3着に健闘したテーオーロイヤル、前走の鳴尾記念が約1年4カ月ぶりの復帰戦でいきなり勝利を挙げたヴェルトライゼンデや昨年の2着馬ウインキートス等が参戦する。

オールカマーは過去10年、連対馬20頭中18頭が1~5番人気と比較的、平穏決着と言える傾向だが、1番人気は【2.2.1.5】と半数が馬券外。その中には昨年の4着レイパパレ、2019年4着のレイデオロとGI馬が含まれている。秋古馬GIの主要ステップとあって有力馬が「叩き台」として使うレースであるのは間違いなく、実績だけで安易に飛びつくのは早計ということだ。

今回、オールカマーの「危険な人気馬」として取り上げるのは、実績最上位のデアリングタクトだ。

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■長期休養を経ても能力は健在だが

2021年に2戦走った後に繋靱帯炎による1年以上の長期休養を余儀なくされ、2走前のヴィクトリアマイルがおよそ1年1カ月ぶりの復帰戦となったデアリングタクト。そのヴィクトリアマイルでいきなり0秒5差の6着に健闘すると、前走の宝塚記念ではゲートをアオり気味に出てしまった影響で10番手付近からの競馬となったが、4角から徐々に進出して直線は外から末脚を伸ばしディープボンドとの3着争いに競り勝った。1年以上の休養明け2戦目だったグランプリレースで早速馬券圏内に好走してみせるあたりは、さすが三冠牝馬といったところだろう。

今回は意外にも自身初の中山遠征となるが、京都の内回り(2000m)で行われた秋華賞の走りをみても問題にはならないだろう。

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しかし、そんな三冠牝馬に今回は付け入る隙がある。それは、「金鯱賞での敗戦」だ。

その金鯱賞では、単勝オッズは1.4倍の圧倒的な1番人気に支持されていた。しかし、レースでは6番手で折り合いをつけて虎視眈々と前を伺い、4角を回ったところでポタジェの外へ出して追い上げを図ったが、届かず2着に惜敗。脚もたまっていたとはいえ、後に8戦連続で馬券圏外に沈んでいるギベオンに敗戦してしまったのだ。

レース後、騎乗した松山騎手が馬場を敗因に挙げたように、時計の掛かるタフな馬場や急坂のある環境下だと末脚が鈍って差し切れないというパターンも考えられるわけだ。

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そこで、デアリングタクトのこれまでの競馬場別の戦歴を振り返ってみると、

・デアリングタクト競馬場別戦歴
└京都/【3.0.0.0】
└阪神/【1.0.1.0】
└中京/【0.1.0.0】
└東京/【1.0.1.1】
└香港/【0.0.1.0】

このように、強烈なパフォーマンスをみせたエルフィンS、秋華賞はともに平坦な京都開催で行われており、かつ3歳の秋からは上がり最速の末脚を繰り出せなくなっているのだ。

先週のセントライト記念でも道中4番手付近を追走していたガイアフォースが直線で上がり最速の末脚を繰り出してアスクビクターモアを封じたのは記憶に新しいが、今の中山開催は「前残り」かつ「上がりが使える馬」がよく馬券圏内に好走している。3週間前の京成杯AHにしろ、道中マクりながら先頭に立ったミッキーブリランテが2着に残っていた。

さらに今週初めに降った雨や今週末にも雨の予報から馬場の悪化が懸念される上に、ウインキートスやバビット、キングオブドラゴン、ソーヴァリアント、クレッシェンドラヴなど先行激化になりそうな今回のメンバー構成だと、脚の使いどころを誤って「金鯱賞の二の舞」を踏んでしまう可能性もあるということだ。そのリスクも懸念するとこの人気や印は過剰なのかもしれない。

以上の不安点から、ここは馬券的な妙味も考え、人気一角のデアリングタクトを「消し」とする。今年のメンバー構成と道中のペースをイメージすれば、ソーヴァリアントを中心に、ジェラルディーナフライライクバードヴェルトライゼンデら、ある程度のポジションから競馬ができ、ハイペースでも瞬時に反応ができる馬を上位に評価したい。

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文●西舘洸希(SPREAD編集部)