今週は秋華賞トライアル、第41回ローズS(GII、芝1800m)が行われる。
今回はリバティアイランドに唯一土をつけた、オークス4着のラヴェルや、同8着のソーダズリングといった実績馬に対し、条件戦を勝ち上がってきたブレイディヴェーグ、ココナッツブラウン、マラキナイアなど、夏の上がり馬が激突する構図。どの馬がGIへの挑戦権を勝ち取るか注目だ。
そんな中、条件戦を目下2連勝中のコンクシェルが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。
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目次
■分が悪い2勝クラス組、キャリアの多さもネック
例年、春のGIを戦った実績馬と、夏に急成長を遂げた上がり馬、どちらが優勢か、が問われるローズS。しかし、過去10年の前走別成績を紐解いてみると、前走オークス組が【7.2.3.37】で、それ以外のレースは【3.8.7.95】となっており、勝つのはオークスからの直行組が優勢、ヒモに条件戦などからの転戦組が入る、という傾向にある。
また、条件クラスからの転戦では、1勝クラスが【3.4.3.39】、2勝クラスが【0.2.4.25】という結果で、レベルの高い2勝クラスを戦ってきた馬よりも、1勝クラスから直接ローズSへ挑戦した馬のほうに分があることがわかる。
コンクシェルは、春はアネモネSで2着に入り桜花賞へ挑戦。15着に大敗後は、1勝クラスから叩き上げ、夏に中京、小倉で逃げの手に戦法を変えたところ、1勝クラス、2勝クラスともに5馬身差の圧勝劇を演じ、一躍秋の注目馬に名乗りを上げた。
しかし、前走で逃げた馬のローズSでの成績は、過去10年で【0.2.1.11】と、勝ち切るまでには至らず。また、ローズSで逃げた馬の成績は、こちらも【0.3.1.6】で、当レースで逃げ切り勝ちを決めるのは難しいことが分かる。
また、すでにキャリア11戦を重ねているコンクシェルだが、ローズSの過去10年において、キャリア11戦以上の馬は【0.0.0.9】と、一度も馬券圏内に絡んだことがない。3歳馬同士の争いにおいて、レース数をこなしてきた馬よりも、ある程度フレッシュさが求められる一戦といえそうだ。
今回はモレイラ騎手を鞍上に迎え、ローズSへ臨むコンクシェル。“マジックマン”の異名をとる名手の手綱さばきに注目が集まるが、鞍上込みで過剰な人気になるようなら、これまでのデータを加味すると、妙味は少ないように思え、ここは思い切って「消し」でいきたい。
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著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか
20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。