2日(日本時間3日)にFA選手が公示され、大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)を含めて130人がFAとなった。移籍市場の始動に合わせて、米メディアによる関連報道も熱気を帯びてきた。『The Athletic』は「FA選手トップ50」を発表。1位は大谷だったが、山本由伸(オリックス・バファローズ)、今永昇太(横浜DeNAベイスターズ)、前田健太(ミネソタ・ツインズ)、松井裕樹(東北楽天ゴールデンイーグルス)もランクインした。
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■WAR10.0や三振数の減少を高評価
『The Athletic』はFA市場における上位50人を選出。執筆したキース・ロー記者は、まず今冬の傾向を指摘。「今回のFA市場はあらゆる面で弱い。トップにスーパースター(大谷)が1人いて、あとは彼に続く選手が数人いるという構図。特に野手は急速に取り上げるべき名前がなくなる」とし、野手陣の層が薄いことに言及した。
その上で同メディアが選出した「FA選手トップ50」の1位は、やはり大谷。同記者は「ほかに誰かいるだろうか」と投げかけ、今季のWAR(勝利への貢献度を表わす指標)が10.0を記録したことからも「もっとも価値がある選手」と評価した。WARの目安として8.0でMVP級、5.0でオールスター級、2.0でレギュラークラスとされているだけに10.0は驚異の数字。1位に立つのは当然として「今季は三振も減り、苦手だった左腕への対応も上昇した」と記し、打者としての弱点がなくなったと称賛した。
■山本は「メジャーでもエースに」
2位には大谷と同じく左の大砲コディ・ベリンジャー(シカゴ・カブス)、3位にはフィラデルフィア・フィリーズの右腕アーロン・ノラが続いた。そして、4位に指名されたのが山本。記事は「メジャーでも平均以上のスターター、つまりエースになれる」と太鼓判を押し、身長の低さを懸念する声に対しては「(山本と同じような身長の)ソニー・グレイやマーカス・ストローマンも成功している」とし、山本も2人と同じようにオールスター選手になれると予想した。
日本勢では11位に今永、22位に前田、そして45位に松井がランクインした。記事は今永について、今春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が良いアピールの場になったと紹介。「決勝の米国戦で2回しか投げなかったが、4つの球種を自在に操り、メジャーでも3、4番手の先発として通用すると期待させた」とし、契約についても千賀滉大が昨年ニューヨーク・メッツと結んだ5年総額7500万ドル(約113億円)を超えるべきと主張した。
松井に関しては「平均以上の速球とスプリットを持っている。また、空振りを誘うことも期待できるスライダーがある」と評価しつつ、一流打者には速球が通用せず、被弾する可能性があると不安視した。そのためクローザーではなく、まずはセットアッパーなど重圧の比較的少ないところで投げさせるべきと提案した。
来季、日本勢がマウンドで躍動するシーンが増えそうだ。
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文●SPREAD編集部