■ドゥレッツァ
【中間調整】ハ行による取り消しを無視すれば、未勝利勝ちから前走・菊花賞とここまで5連勝。重賞初挑戦かつGI初挑戦だった菊花賞は、いったん先頭から別の先導役にハナを譲って脚を溜め、最後の直線でまた抜け出して後続を突き放すという驚きの内容での勝利だった。鞍上C.ルメール騎手の大胆不敵なレース運びはさすがと言えたが、そのルメール騎手が“この馬なら”と見込んだからこその作戦選択。ポテンシャルは底知れないものがある。
その後有馬記念はパスして年内は休養し、2024年前半の最大目標を天皇賞・春に設定。本来、前哨戦として京都記念が本線だったようだが、牧場での回復に手間取ったようで金鯱賞へスライドすることに。2月15日のウッド併せ馬を皮切りに調整が進んでいる。1週前は序盤にセーブさせ、コーナリングで若干モタれる場面はあったものの、ラストの伸びはさすがGI馬と思わせるものがあった。
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【最終追い切り】レース当週もウッド単走。やはりコーナリングでぎこちなさ、力みは感じられるが、許容範囲。集中度合いは申し分なく、シャープなフォームを保ち直線へ向かい、ラストは手応え十分のまま体を柔軟に使って力強く伸びた。
【見解】復帰戦がスライドとなる誤算はあり、帰厩後の攻めもいささか慎重気味。それでも直線での迫力、伸びやかさはそんな懸念を相殺してあまりある。明らかな目標が先にあり、さすがにお釣りナシとは言い切れないが、ほぼ万全の状態で臨んでくるだろう。
総合評価「A」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。