■ブローザホーン
【中間調整】昨年秋の京都大賞典は心房細動で競走中止。立て直して臨んだ前走・日経新春杯では中団から長くいい脚を使い、見事勝利を掴んだ。“心房細動明けは走る”という格言を地で行く勝利であり、定年目前だった中野栄治調教師に捧げる大きなプレゼントでもあった。その後厩舎の解散に伴い、短期放牧を挟んで2月15日に現在の吉岡厩舎に入っている(登録上は2月1日に転籍)。
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次走が注目されたが、天皇賞・春を上半期の最大目標として、その前に阪神大賞典で腕試しへ挑むことに。16日の坂路15-15から入念に乗り込まれている。1週前は坂路で併せ馬を行い、3歳未勝利となんとか併入、9日の土曜坂路追いは準オープン馬マラキナイアと併入だが、手応えは完全に見劣っていた。
【最終追い切り】レース当週は菅原明騎手が騎乗し、坂路で併せ馬を行った。準オープン馬ロードアウォードを追いかけ併走。ラストは手応えがしっかり残っていたようだが、相手に切れ負けしてアタマほど遅れ入線に終わっている。
【見解】時間を掛けてじっくり乗り込まれているが、動きを見る限りなかなか気持ちが乗ってこないような状況。調教師引退の花道をきっちり飾るべくかなりのレベルまで仕上げられていた反動があるのかもしれない。本数はこなせており、脚元や体調は問題なさそうだが、闘争心、気迫の面はやや懸念を感じるところだ。
総合評価「B」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。