【中山金杯/追い切り診断】コース巧者に辛口「B」評価 負荷の物足りなさ、攻め気配からも「本来の状態にない」か

【中山金杯/追い切り診断】コース巧者に辛口「B」評価 負荷の物足りなさ、攻め気配からも「本来の状態にない」か

第74回中山金杯(5日/GIII、中山芝2000m)には、天皇賞・秋3着のホウオウビスケッツ、昨年覇者リカンカブール、同コースの紫苑S勝ち馬クリスマスパレードなどが出走予定。

本記事では、出走各馬の追い切りを診断し「S」「A」「B」の3段階で評価した有力馬や穴馬をピックアップ。ここでは「ラーグルフ」を取り上げる。

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■ラーグルフ

【中間調整】2023年の中山金杯を勝利、同年の中山記念2着のコース巧者だ。昨年後半は外傷の影響がありオールカマーこそ0秒5差7着にまとめたが、アルゼンチン共和国杯が11着、チャレンジCが10着と低空飛行が続く。それでも陣営は立て直し休養を選択せず、今回中4週で中山金杯2勝目を狙って駒を進めてきた。

中間は在厩で調整され、12月19日に坂路15-15を消化したのが初時計。1週前追いは坂路で行い、新馬にやや手応えで見劣ったものの手応えにお釣りを残して併入としている。

【最終追い切り】最終追いは12月31日にウッドで単走。折り合いに専念し14-14ペースで入り、ラストはある程度スムーズな加速を見せた。ただし、しっかり脚が溜まっていたことを考えればもう1枚ギアを上げて欲しかった感もある。

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【見解】外傷明けとはいえ昨年後半は順調に使われてきたが、前走後に蹄を痛めたとのことで当初中山金杯は出否未定。それでも慎重に立ち上げ、格好のつく動きはできている。ただし本来ウッドである程度負荷を掛けたい1週前追いが坂路になったあたり、本来の状態にないことは想像に難くない。大晦日の最終追いを経て、1月3日にウッド14-14をこなしている。レース2日前に時計を出すのは2023年中山金杯と同じなのだが、この時は坂路で微調整。今回はウッドを選択したあたり、やはり全体的な負荷の物足りなさを補う意図があったのかも。攻め気配からは重い印を打つには躊躇したくなるところ。

総合評価「B」

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著者プロフィール

西村武輝(にしむらぶこう)
【重賞深掘りプロジェクト】調教ライター。競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。UMAJINでは「競馬サロン」開設以前から毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。