エンゼルスのマイク・トラウト外野手は昨季、左膝半月板損傷で29試合の出場に留まり、打率.220、10本塁打、14打点、6盗塁と振るわなかった。メジャー通算378本塁打を誇る稀代のスラッガーは33歳を迎え、故障が絶えないシーズンが続いている。
健康でさえいれば、未だに高いパフォーマンスは見せられる。盗塁数こそ減少しているものの、球界屈指の走力も健在だ。ここでは、今季復活を期すトラウトの「Sprint Speed(スプリントスピード)」を取り上げてみたい。
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■現役最高の外野手に君臨も……
トラウトは、2009年のドラフト1巡目全体25位でエンゼルスに入団。11年にメジャー初昇格、翌12年には30本塁打をマークし、リーグ屈指の強打者として頭角を現した。14年と16年、19年には年間MVPを受賞するなど、球界最高の外野手として君臨。22年には規定打席未到達ながら40本塁打を放ち、自身9回目のシルバースラッガー賞を獲得した。
■盟友・大谷翔平超えの俊足は健在
メジャー2年目に、ア・リーグトップの49盗塁を記録した俊足のトラウト。近年はめっきり走らなくなったが、スピードに関しては20代前半から全く衰えていない。
MLB公式のデータページ『Baseball Savant』によると、トラウトの「スプリントスピード」は2023年に29.5フィート/秒を計測。これはメジャー全体で上位4%に入るエリートクラスで、昨季も長期離脱するまでは28.9フィート/秒と高水準を維持した。これは24歳のシーズン(2016年)と全く同じ指標となっている。
世代別では3年連続ナンバーワンで、リーグ全体でも上位10%に位置している。昨季59盗塁を記録したドジャースの大谷翔平投手(28.1フィート/秒)にもスピードでは負けていない。左膝半月板の回復次第では、全盛期の姿が再び見られる可能性も残されている。故障続きで「不良債権」の烙印を押された同僚のアンソニー・レンドン内野手は、今季も開幕からの長期離脱が決定した。トラウトはチームリーダーとして、長年低迷するエンゼルスを救えるだろうか。
Sprint Speed
もっとも速く走った1秒間の平均速度(フィート/秒)を測定したもの。2017年に導入され、現在は「2種類の走塁」が計測対象とされている。本塁打以外で2つ以上のベースを進んだ走塁(二塁にいる走者が長打で進塁した場合は除く)と、バットの芯を外して弱く転がった打球などに対する一塁到達タイムを計測。これらのうち、もっとも速かった約3分の2のデータを平均して算出している。1秒間の計測で、およそ7歩分の全力疾走を捉えられるため、単純なトップスピードではなく、長く維持する選手を評価できる。
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