5日は中京競馬場でGI級勝ち馬が実に9頭と実力馬が集ったチャンピオンズカップ(GI、ダ1800m)が行われます。今年は令和のアイドルホース・ソダシの参戦もあって例年以上に注目されていますね。
それでは気になる騎手データを見ていきましょう。なお、中京ダ1800mで開催されるようになった2014年以降の過去レースを集計対象としています。
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目次
■レジェンド・武豊騎手の複勝率の高さに注目
今年のチャンピオンズカップに乗り鞍があり、2014年以降のチャンピオンズカップで騎乗経験があるのは次の15騎手です。
2014年以降の7年分が集計対象となるため、連対経験がある騎手は6名にまで絞られます。今回はその6騎手を対象に見ていきましょう。
その中で、連対率は16.7%と控えめですが【0-1-2-3】と複勝率50%を記録しているのが武豊騎手です。2019年のインティ(3番人気3着)、2020年のインティ(10番人気3着)と2年連続で3着を確保中で、複勝回収率は驚きの301%。昨年、人気薄のインティで好走したことが数値上昇に繋がっていますが、この舞台で押さえて損はないと言えます。また【武豊騎手】×【2枠】は【0-1-1-0】の連対率50%、複勝率100%という熱いデータも確認できます。今年もインティ(牡7、栗東・野中賢二厩舎 )に跨る同騎手ですが、入った枠は奇しくも2枠4番。前日15時時点でインティは9番人気ですから、昨年と同様に高配当馬券の使者となるかもしれません。
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■M.デムーロ騎手、川田将雅騎手は勝率の高さが魅力
次に見ていきたいのがM.デムーロ騎手と川田将雅騎手です。
M.デムーロ騎手は2015年のサンビスタ(12番人気1着)、2018年のルヴァンスレーヴ(1番人気1着)と集計期間内2勝を挙げています。サンビスタで激走したことが各種数値を押し上げていますが、人気薄での一発が見込める騎手であることは間違いないでしょう。そして【M.デムーロ騎手】×【2枠】は【2-0-0-0】の勝率100%と武豊騎手と同様の熱いデータも確認できます。同騎手が跨る地方所属馬のカジノフォンテン(牡5、船橋・山下貴之厩舎)は惜しくも1枠2番となりましたが、内の好枠を引けたことはプラスに考えられます。
そして川田将雅騎手も高い数値ですが、これは一昨年、昨年とクリソベリルに跨ってのもの。ただし、他有力騎手と比べると騎乗数が少ないことから、勝ち負けが見込める馬にしか騎乗してこなかった可能性は考えられます。その川田将雅騎手が跨る以上、クリンチャー(牡7、栗東・宮本博厩舎)は押さえた方がいいかもしれませんね。
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■C.ルメール騎手は2着固定か切りを推奨
一方、人気と比べると着順の落ち込みが目立つのがC.ルメール騎手です。
2015年のノンコノユメ(3番人気2着)、2019年のゴールドドリーム(1番人気2着)と2度の2着があるものの、2016年のコパノリッキーは3番人気で13着、昨年のカフェファラオは2番人気で6着と人気馬で掲示板を外すケースも見られます。より細かく人気で区切ると3番人気以内では【0-2-0-2】となりますので、騎乗馬が当日3番人気以内に支持されるようなら2着固定で狙うのがいいかもしれません。
なお、同騎手は前日15時時点で4番人気のカフェファラオ(牡4、美浦・堀宣行厩舎)に騎乗予定。この人気が当日まで続くようなら切りが正解と考えます。
さて、今回はチャンピオンズカップの気になる騎手データを見ていきました。騎手データを重視した場合、武豊騎手が跨るインティを軸に、M.デムーロ騎手が跨るカジノフォンテンや川田将雅騎手が跨るクリンチャーらに流す馬券で勝負してみると高配当にありつけるかもしれません。
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著者プロフィール
伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部
秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。