9日に中京競馬場で行われる第56回・シンザン記念(GIII、芝1600m)の過去10年データを紹介する。
前走のデビュー戦となった新馬戦(東京芝1600m)で3馬身半差をつけて勝利した良血馬ラスール、東京スポーツ杯2歳Sでの5着からの巻き返しを狙うレッドベルアーム、こうやまき賞で勝利し2連勝中のソリタリオなどが出走予定だ。
ここでは中京芝1600mで開催された21年のシンザン記念、21年の京都金杯、22年の京都金杯、中京記念7年分(13~19年)の結果を基に予想のヒントになる「脚質傾向」を分析していく。
◆【シンザン記念2022予想/追い切り診断】独特の調整法で挑む人気馬に「A」評価 厩舎の“集大成”で名伯楽にV届ける
■波乱の立役者は「上がり3位」
過去10年、逃げ【1-0-1-8】、先行【3-3-1-22】、差し【2-5-3-50】、追込【3-1-4-36】と中団で競馬を進めた馬の好走が目立つが、なかでも先行脚質は最多4勝を挙げ、連対数も6回と好成績を収めている。昨年のシンザン記念では逃げたピクシーナイトがそのまま押し切って勝利したが、昨年の京都金杯では4角5番手以内だったケイデンスコール、ピースワンパラディ、エイトシャイデンが上位を独占し波乱を巻き起こしていた。
また、上がり3Fの順位ごとの成績は以下の通り。
・3F 1位【4-0-2-5】 勝率36.4% 連対率36.4% 複勝率54.5%
・3F 2位【0-1-2-7】 勝率0.0% 連対率20.0% 複勝率30.0%
・3F 3位【0-4-1-2】 勝率0.0% 連対率57.1% 複勝率71.4%
・3F ~5位【1-2-2-16】勝率4.8% 連対率14.3% 複勝率23.8%
・3F 6~位【4-1-3-85】勝率4.3% 連対率5.4% 複勝率8.6%
このように「上がり最速馬」が最多タイの4勝を挙げており、18年グレーターロンドンや14年サダムパテック、13年フラガラッハが上がり最速の末脚を繰り出し勝利している。また上がり3位だった馬は複勝率が71.4%と好調で昨年のシンザン記念も上がり3位のルークズネストが8番人気の低評価ながら好走し穴をあけていた。
前走で上がり最速をマークしているのはアバンチュリエ、ウナギノボリ、ショウナンアメリア、デルマグレムリン、マテンロウオリオン、ラスールの6頭。なかでも同条件で上がり最速の末脚を繰り出し好走したウナギノボリはそこまで人気を背負うことなくレースを迎えられそうで、この馬が波乱を巻き起こすことも想定することが的中のヒントとなりそうだ。
▼その他データ傾向
◆【枠順】上位人気馬に“明と暗” 「連対数0」の鬼門にレッドベルアームが入る
◆【血統傾向】単回収値「688」の配合 想定“10人気”以下の穴馬が中京マイルにフィット
◆【前走ローテ】良血馬ラスールらに黄信号、舞台替わりでも注視すべき「前走左回り」
◆【人気傾向】波乱含みの「クラシック登竜門」 注目は勝率、連対率トップの「2番人気」
シンザン記念2022予想コラム一覧
▼追い切り診断
◆【S評価】ラスールを上回る「S」評価 圧巻の動きで「気配は絶好」
◆【A評価】独特の調整法で挑む人気馬に「A」評価 厩舎の“集大成”で名伯楽にV届ける
◆【A評価】10人気前後の穴馬に高評価「A」 雰囲気上々で「健闘以上の走りがあっていい」
◆【B評価】3強の一角に辛口評価 距離短縮は歓迎も「気性面に危うさが……」
▼穴馬予想
◆【穴馬アナライズVol.1】単勝“20倍”以上の伏兵 実績を考えれば「妙味は十分」
◆【穴馬アナライズVol.2】前日“10人気”前後の盲点 素質開花で「波乱の使者」へ
◆【穴馬アナライズVol.3】キャリア1戦の“ダークホース” 高いポテンシャルを感じる大器
◆【危険な人気馬-前編】人気の一角は“消し” 来春のクラシック戦線を占う一戦で「買うべきではない」1頭とは
◆【危険な人気馬-後編】好条件揃う伏兵馬を本命視、対抗に好気配漂うカワキタレブリーを指名
▼データ予想
◆【騎手データ】人気馬騎乗のルメールに不安要素 狙いは“栗東の大ベテラン”
◆【データ攻略-前編】「馬券内率75%」の強力データが後押し、名牝2頭に続けるか注目
◆【データ攻略-後編】「血統×戦法」の組み合わせで浮上する穴馬、単勝回収率「661%」で波乱を巻き起こす
文・SPREAD編集部