過去の10年、京都記念は6番人気が最多4勝と波乱の歴史があるレース。昨年はラヴズオンリーユー、2020年はクロノジェネシスと名牝が勝利したが、例年はGI未勝利の馬が中心で、19年は重賞善戦マンのステイフーリッシュが1番人気2着だった。
今年はオークス馬・ユーバーレーベンが参戦。しかし、オークス後は脚部不安で調子を落とし、秋華賞13着、ジャパンC6着と精鋭を欠いているだけに、付け入る隙は十分にある。2番手以下のレッドジェネシスやサンレイポケットもGIでは馬券に絡んだことがなく、大波乱の可能性を秘めている。
狙いはGII善戦止まりの馬。昨年、6番人気3着のダンビュライトはGIでは惨敗続きも、GIIでは勝ち馬から1秒差以内の競馬を見せていた馬で、得意の非根幹距離で息を吹き返した。今年、前走・GI出走組やGIII好走組が揃うが、GII善戦止まりに「穴馬」は潜んでいると見た。
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■ディアマンミノル
昨秋は阪神競馬場で行われた京都大賞典で4着、3走前のアルゼンチン共和国杯で5着と、連続でGIIでは掲示板入りを果たしている。前走の万葉Sでも5着だったが、坂を上ったところで脚が残っていなかったことからやや距離が長かったか。守備範囲外であったことを考えれば大幅に割り引く必要はないだろう。
評価したいのは4走前の京都大賞典で、後半は11秒台が続くロングスパート戦だったが、最後までバテずに後方から脚を伸ばしていた。もともと中距離、そして阪神コースを得意としている馬で、こういった地力勝負になるとさらに良さが活きるタイプ。脚質から展開待ちな面があるにせよ、うまく流れに乗れれば面白い。
先週のきさらぎ賞で早くも今年重賞3勝目をマークし、勢いに乗るベテラン・横山典騎乗も心強い。このメンバーに入れば一発があっていい。
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著者プロフィール
山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長
元・競馬月刊誌の編集長で、現在はスポーツの未来を読みとくメディア『SPREAD』の編集長。1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、穴馬予想を追求し続けている。「ウマ娘」はゴールドシップ推し。