■シュリ
【中間調整】10着に終わった京都金杯からの巻き返しを期し、順調に調整されて臨むはずだった2月の東京新聞杯だったが右後肢のフレグモーネのため、枠順確定前の出走取消に。幸い、症状は軽度だったようで中間は放牧に出されず在厩での調整が続けられている。丹念なケアを経て、3月16日に坂路14-14をこなしたのが初時計。以降ジワジワと坂路馬なりで時計を詰め実戦感覚を呼び戻す。そして2週前の坂路追いで秋山真騎手が騎乗しレースが近いことを知らせる速い時計を出したが、ここで4F49秒6という超抜時計を馬なりでマーク。もちろん自己ベスト更新だし、ラスト2Fで12秒5-11秒9と加速できていたあたりも秀逸だ。1週前追いはもう速い全体時計は不要と終い重点の内容。それでもあふれんばかりの前向きさから、いいペースで進みラスト1Fは11秒9とまた馬なりで11秒台を叩き出した。
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【最終追い切り】2週前、1週前の追い切りで心肺能力や操縦性はほぼ完成されており、最終追いは秋山真騎手が反応を確認する程度の馬なり調整。この日も高いモチベーションを感じさせ、リズムよく進むと、楽な手応えのまま溜めた脚をしっかり弾けさせた。ラスト2Fは12秒0-11秒8と、この日も高いレベルの加速ラップでまとめている。
【見解】やれば時計は出るタイプの馬だが、それでもコンスタントに好時計を連発でいかにも気持ちが乗っているようだ。万全を期しての回避策が吉と出たようで、心身ともにレベルアップを果たしたのかもしれない。指揮官・池江師の新聞コメントはやや辛口だが、3週続けて稽古をつけ、負荷を調節した秋山真騎手の手腕を信じたいところだ。もとより、リステッド競走を2勝の実力馬。大きく巻き返しても不思議はない。
総合評価「A」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。