21日は東京競馬場で3歳牝馬三冠の2戦目となるオークス(GI、芝2400m)が開催されます。牝馬の強い時代を象徴するように近5年で牝馬二冠が3頭誕生。うちアーモンドアイ、デアリングタクトの2頭は牝馬三冠の座に輝きました。
今回は2000年以降の過去データを基に、気になる騎手データを見ていきます。
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目次
■今週末も戸崎圭太騎手に出番あり
今年オークスに騎乗する騎手の中で、2000年以降騎乗経験があるのは14騎手。各騎手のデータは次の通り。

[2000年以降]オークスの騎手別成績
騎手ごとに騎乗数のバラ付きが見られることから、今回は集計期間内で3鞍以上の騎乗経験があり、かつ30%以上の高い連対率をマークする4騎手を見ていきましょう。
まず見ていくのが先週のヴィクトリアマイルで過去データに近い走りを見せてくれた戸崎圭太騎手です。集計期間内で勝ち鞍こそ挙げられていませんが、2013年のエバーブロッサム(5人気2着)、15年のルージュバック(1人気2着)、16年のチェッキーノ(2人気2着)で3度の連対がありますね。
注目ファクターは人気で、【戸崎圭太騎手】×【当日5番人気以内】は【0.3.0.2】の連対率60.0%。人気の戸崎圭太騎手は買いです。さて、戸崎圭太騎手が今年のオークスで騎乗予定なのが前日8番人気のミッキーゴージャス(栗東・安田隆行厩舎)。
例年のオークスなら弾かれることが多い2勝馬ですが、今年はボーダーが低く抽選なしでの出走です。またメンバー中の無敗馬はこの馬のみですね。当日5番人気以内に推されるようなら押さえてみてください。
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■断然人気のリバティアイランド&川田将雅騎手は
続いて前日で単勝オッズ1.4倍の1番人気に推されているリバティアイランド(栗東・中内田充正厩舎)に跨る川田将雅騎手のデータを見ていきます。リバティアイランドについては説明不要で今年のオークス大本命馬ですね。
そして川田将雅騎手のオークス過去成績ですが、2012年のジェンティルドンナ(3人気1着)、14年のハープスター(1人気2着)、18年のリリーノーブル(4人気2着)と3度の連対が確認できます。
中内田充正厩舎の所属馬では【0.0.0.3】の連対率0.0%という気になるデータが見つかりますが、桜花賞馬に跨った際は【1.1.0.0】というデータがあり相殺可能でしょう。
また、ほぼ人気通りの着順が見込めることから、変に捻る必要は一切なく、リバティアイランド&川田将雅騎手は軸扱いで問題なしと判断します。
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■D.レーン騎手は半信半疑
続いて今春のGIで人気馬に跨る機会が多いD.レーン騎手のデータを見ていきましょう。同騎手は昨年のオークスで10番人気のスタニングローズを2着に導いていますね。一方で、2019年は3番人気のコントラチェックで9着、20年は2番人気のデゼルで11着に終わっています。
また、集計対象を東京芝2400mの重賞へと広げると【0.2.2.7】の連対率18.2%で、悪くはないのですが、人気を考えるとかなり微妙です。阪神や中山のGIや重賞に比べると信頼度はイマイチかもしれません。
そんなD.レーン騎手ですが、オークスでは前日3番人気のコナコースト(栗東・清水久詞厩舎)に跨がります。データを重視するとこれまでの東京GIと同様に押さえまでがベターでしょう。
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■C.ルメール騎手はオークス男
最後にオークス男ぶりを遺憾なく発揮できているC.ルメール騎手について見ていきます。2016年のエンジェルフェイス(3人気10着)、20年のサンクテュエール(5人気13着)の成績が響き、人気と比べると着順の落ち込みが見られるものの、17年のソウルスターリング(1人気)、18年のアーモンドアイ(1人気)、そして22年のスターズオンアース(3人気)で3勝を挙げています。
注目ファクターは戸崎圭太騎手と同様に人気で【C.ルメール騎手】×【当日3番人気以内】の組み合わせは【3.1.0.1】の勝率60.0%、連対率80.0%。この条件に該当したら鉄板級の扱いが必要ですね。
そしてC.ルメール騎手が今年のオークスで騎乗予定なのが前日2番人気のハーパー(栗東・友道康夫厩舎)。リバティアイランドに何かが起きた場合、勝つのはこのコンビかもしれません。
以上、オークスの気になる騎手データでした。データ注目騎手はC.ルメール騎手です。春GIで人気のC.ルメール騎手は素直に買いです。
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著者プロフィール
伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部
秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。