21日に東京競馬場で行われるオークス(GI、芝2400m)の「血統傾向」を分析する。
2018年以降のオークスで3着内に入った種牡馬データを集計した下記の血統表をもとに推奨馬を紹介する。
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■キングカメハメハ系種牡馬のスピードの持続力が光る
キングカメハメハ系種牡馬は過去5年間で【2.2.0.12】の成績を収めている。昨年はドゥラメンテ産駒のスターズオンアースが1着、キングカメハメハ産駒のスタニングローズが2着に入り、見事なワンツーを飾った。
キングカメハメハの勢いが感じられる一方、ディープインパクト系種牡馬の成績は悪く、過去5年間の成績は【1.2.1.27】。最後の勝利は2019年のラヴズオンリーユーまで遡る。
キングカメハメハ系種牡馬が得意とする理由は、コース形態とレース展開にある。東京芝2400mは、最後の直線距離が525.9mと長く、中間ラップが緩むスローの流れになって瞬発力勝負になりやすい。
しかしオークスはマイルで行われる桜花賞からの強豪が多く参戦するなど、3歳牝馬にとっては未知の距離を競うタフなレース。つまりタフな「瞬発力勝負」になりやすく、スピードの持続力に富んでいるキングカメハメハの血が活きるわけだ。
今回はキングカメハメハ系種牡馬のドゥラメンテ産駒に注目する。
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■ドゥーラ
父は2015年に皐月賞と日本ダービーの二冠を制したドゥラメンテ、母父は2000年の高松宮記念覇者・キングヘイロー、伯母に函館2歳S勝ちのクリスマスがいる血統構成。
ドゥーラは近3戦で阪神マイルでのレースに苦戦し、全て掲示板外に終わっている。しかし、4走前の札幌2歳S(札幌芝1800m)では1番人気に応える素晴らしい走りで完勝。
そのレースではスムーズなリズムで進み、3-4コーナーで外から迫力ある伸び脚を見せると、直線では鋭い末脚で一気に抜け出し勝利しているように、距離を延ばすことで、追走が楽になり彼女の持つ力が発揮される可能性は十分。
またドゥーラは父がドゥラメンテ、母父がノーザンダンサー系の牝馬。彼女の配合は注目すべきポイントで、この組み合わせの馬は芝1600m以下の舞台では【16.13.15.128】勝率9.3%、複勝率25.6%、単勝回収値47という成績だが、一方で芝1800m以上の距離だと【22.18.21.130】勝率は11.5%、複勝率は31.9%、単勝回収値82と全項目で大幅に上回っており、距離延長は彼女にとってプラス要素となる傾向だ。
さらに上記の芝1800m以上の距離という条件に加え、キャリア6戦以内かつコーナー回数が4回以上という条件を加えると【16.10.15.69】勝率14.5%、複勝率37.3%、単回収値119と、ハイアベレージをマーク。
これはこの配合の牝馬が浅いキャリアのうちから早くもコーナリングの才能を開花させ、その力を存分に発揮して結果を残していることを強く示唆している。
コーナー4回の東京芝2400mという新たな条件で臨む今回のレースは、札幌のコーナーをうまく立ち回っているドゥーラにとって好条件。彼女の変わり身に期待し、穴馬の1頭として推奨する。札幌2歳Sの時のような力強い走りを再び目にすることを楽しみにしたい。
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文●中井達也(SPREAD編集部)