元ドジャースの投手で、現在ジャイアンツに所属するロス・ストリップリング投手が16日(日本時間17日)、野球専門のポッドキャスト番組『ファウル・テリトリー』に出演し、古巣を「完全な悪役モード」と呼んだ。ドジャースが行っている大型補強に対して、批判的な声も聞こえるようになってきた。
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■生え抜き選手の減少に警鐘
ドジャースは今オフ、大谷翔平投手を10年総額7億ドルで獲得すると、山本由伸投手、タイラー・グラスノー投手、テオスカー・ヘルナンデス外野手ら大物を次々手に入れた。富裕球団ならではの補強だが、他球団のファンからは“爆買い”に批判的な目も注がれるようになってきた。
ドジャース専門メディア『Dodgers Nation』でさえ「2024年にメジャーでもっとも嫌われるチームになりそうなのは、ドジャースのようだ。オオタニ、ヤマモト、ヘルナンデスが加入し、グラスノーをトレードで獲得して契約延長も行ったことで、チームは球界の新たな悪の帝国に変わりつつある。(大谷らが交わした)総額年俸の一部後払い契約も好感度を高めるには至っていない」と認めるほど風向きは良くない。
この状況について口を開いたのが、ドジャースでプレー経験のあるストリップリング(ジャイアンツ)。ポッドキャスト番組に出演すると、「今オフにドジャースが行ったことについて、私が見る限り、彼らはある意味で完全な悪役モードに入っていると思う。ドジャースはこれまでドラフトとタレントの育成において信じられないほど良い仕事をしてきた」と話した上で、充実したファームシステムを生かしたチーム作りが、今や変わりつつあると主張した。
「20年にワールドシリーズを制したチームには生え抜き選手が16人くらいいたと思う。しかし、現状ではフレディ・フリーマン内野手、ムーキー・ベッツ内野手、そしてオオタニ、ヤマモトだ。みんな(生え抜き選手)を追い詰めることになる」と指摘。ビッグネームの補強に偏り、かつての良さが失われつつあると分析した。
■悪役がスポーツを面白くする
しかし、強ければ強いほどアンチが増えるのは世の常。先日ポッドキャスト番組に出演したグラスノーは、司会者から「多くの野球ファンにとって、ドジャースは(ヤンキースに代わる)第2の悪の帝国のようだが……」と水を向けられると、「スポーツとはそういうもの。人々は強いチームを嫌う。そして、それがスポーツを面白くする」と答え、意に介さない様子だった。
そもそもヤンキースが「悪の帝国」と名指しされたのは、2002年のオフ。移籍市場で松井秀喜外野手やキューバ代表のエース、ホセ・コントレラス投手ら注目選手を一気に獲得。争奪戦に敗れた宿敵レッドソックス幹部が「ヤンキースはイビル・エンパイア(悪の帝国)」と呼んだことがきっかけだった。
現在、ヤンキースに代わって「悪の帝国」と呼ばれるほどドジャースの戦力が充実していることだけは間違いない。
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文●SPREAD編集部