外国招待馬3頭を含む第44回ジャパンカップは国内外GI馬9頭が参戦する豪華布陣。
過去10年、1、2、3番人気の決着は2度あり、2020年は牡牝三冠馬3頭で決まり3連単は1340円。比較的平穏な決着に収まるレースだが、5番人気以下も7頭が馬券内に入っており、伏兵の台頭もある。
本記事では「穴馬をアナライズ(分析)する」をテーマに穴馬候補をピックアップ。ここでは「シンエンペラー」を取り上げる。
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■シンエンペラー
凱旋門賞馬ソットサスの全弟としてアルカナオーガストイヤリングセールで矢作芳人調教師により落札され、日本でデビューした同馬。2歳時には暮れの中山・ホープフルSでレガレイラの2着と健闘し、年明けの弥生賞も2着と、この時点ではいかにも欧州血統らしいタフな馬場でこそのイメージを持たせた。
そのイメージを覆したのが、春の高速府中で行われた日本ダービーでの好走。恒例の「イン前有利」の中、4角9番手から直線外へ持ち出すと、上がり33秒4の末脚で3着に上がった。続く愛チャンピオンSは師いわく「7、8割のデキ」の前哨戦仕上げの中、鋭く追い込んでエコノミクス、オーギュストロダンに迫る3着。直線はクールモア勢の徹底マークを受け絶望的な位置から、後に凱旋門賞3着のロスアンゼルスを3/4馬身退けている。
大一番・凱旋門賞は10段階のうち7番目の「Tres Souple(=JRA表記は重)」で行われ、勝ち時計2分31秒58とタフな馬場に泣く12着大敗。日本ダービーや愛チャンピオンSの走りを見ても、日本で調教を積んだシンエンペラーが軽い馬場にフィットしているのは間違いなく、この一戦は度外視できる。
あとは凱旋門賞帰りの調整過程だが、1週前には栗東CWコースで6F81秒2をマークし、ラスト1Fは自己最速タイの11秒0とデキは申し分なし。確たる逃げ馬不在の今回、馬群を縫う勝負根性に長けた同馬には展開も向く。同世代の牝馬チェルヴィニアや、同じく海外レースからの参戦となる外国招待馬3頭に注目が集まり、妙味があるここは「買い」と見た。
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