【宝塚記念/適性診断】無敗馬レイパパレに忍び寄る“特殊”ラップの驚異 「グランプリのラスト1Fは失速する」

デビューから無傷の6連勝で大阪杯を制したレイパパレ(牝4歳、栗東・高野厩舎)。大阪杯では3冠馬コントレイル、GI5勝グランアレグリアなど強豪を撃破し、2着に4馬身差をつける圧勝劇で、その力は本物と思わせた。

一方、重馬場でのレースで、フロック視する向きもあり、改めて宝塚記念では真価を問われる一戦。グランプリ3連覇を目指すクロノジェネシスらを退け、果たして真の女王に上り詰めることができるのか―。

◆【宝塚記念2021/脚質傾向】上がり最速馬は「連対率100%」、レイパパレは全6戦のうち最速は2戦

■6連勝のレース内容を振り返る

まずは、レイパパレのこれまでの戦績を振り返りたい。

昨年1月、京都の新馬戦(良・芝1600m)で、2馬身差のデビュー勝ち。時計は平凡ながら、2~3番手から荒れた内側の馬場をしっかりと伸びる快勝だった。

2戦目は5カ月ぶりの阪神1勝クラス(良・芝1600m)。中団から直線に向くも、前や横が塞がり、なかなか進路が取れなかったが、残り300mあたりから間を割って抜け出すと、最後は1馬身差の快勝。勝負根性を見せつける一戦だった。

3戦目は新潟の糸魚川特別(良・芝1800m)。3番手から少し行きたがる素振りを見せるも、直線に向くと、前2頭の間をこじ開けるように抜け出して、上がり33.2秒の末脚で2馬身差の快勝。新潟とはいえ、瞬発力の高さを証明した。

4戦目は秋華賞を除外されて挑んだ大原S(稍重・芝1800m)出遅れから二の足で先頭に立つと、比較的時計のかかる馬場状態ながら、道中はすべて11秒台のラップを刻んで、ノーステッキで2馬身差の余裕の完封。GI除外のうっぷんを晴らした。

重賞初挑戦となった阪神のGIIIチャレンジC(良・芝2000m)が5戦目。序盤は少し行きたがるも、うまくなだめて2番手から追走すると、4コーナーで早めに並びかけて、力強く押し切る快勝劇。メンバーも低調で、ここは楽な通過点だった。

迎えたGI大阪杯(重・芝2000m)。スタートしてハナを主張すると、軽快なラップで終始1馬身ほどリードを保って直線へ。馬場の中ほどに進路を取って、後続を一気に突き放す圧勝劇。420キロ台の小柄な馬体ながら、重馬場に対応してタイトル奪取に成功した。

ここまで、馬場状態を問わず、全6戦全て上がり3位以内のレース。逃げても先行しても、中団からレースを運んでも、速い上がりを繰り出す脚を持っていて、その能力をいかんなく発揮している。2着とは、クビ・ハナ差などの接戦がなく、必ず突き抜ける豪快な競馬。とはいえ、馬群をこじ開ける力を持ち合わせており、接戦になっても闘争心に火が付く勝負根性はありそうだ。

■宝塚記念は後半5Fのラップが特殊

問題は、宝塚記念でレイパパレのパフォーマンスが発揮できるかという点。芝2200mの内回りコースというトリッキーな舞台設定では、レースのラップが他のGI等に比べるとかなり特殊だからだ。

近5年、宝塚記念のレースの前後半5Fのラップは以下の通り。

2020年・稍重 前半5F60.0 後半5F61.1
後半5F 12.4-12.4-11.9-12.1-12.3
終い2Fの合算24.4

2019年・良 前半5F60.0 後半5F58.9
後半5F 12.0-11.6-11.5-11.4-12.4
終い2Fの合算23.8

2018年・稍重 前半5F59.4 後半5F60.2
後半5F 11.8-12.1-12.2-11.7-12.4
終い2Fの合算24.1

2017年・稍重 前半5F60.6 後半5F59.1
後半5F 11.6-11.8-11.7-11.8-12.2
終い2Fの合算24.0

2016年・稍重 前半5F59.1 後半5F61.3
後半5F 12.3-12.2-11.9-12.2-12.7
終い2Fの合算24.9

これを見ると、道中のペースは、それぞれバラバラなのだが、共通していることが、ラスト1Fがすべて12秒台で、終い2Fの合算が、23.8~24.9秒と、時計がかかっている点。後半5Fでは大きな加速や失速がなく、最後にタフなラップが待ち構えているのが、宝塚記念の大きな特徴となる。

■レイパパレは一気に加速するスピード型

一方、レイパパレの近3走のラップは以下の通り。

大阪杯1着・重 前半5F59.8 後半5F61.8
後半5F 12.8-12.2-12.1-11.6-13.1
終い2Fの合算24.7

チャレンジC1着・良 前半5F62.0 後半5F57.9
後半5F 12.1-11.4-11.1-11.4-11.9
終い2Fの合算23.3

大原S1着・稍重 前半4F47.7 後半4F46.7
後半5F 11.9-11.7-11.6-11.4-12.0
終い2Fの合算23.4

大原S、チャレンジCはスローからの後掲ラップ、大阪杯はハイペースの前傾ラップから、タフな展開で快勝しており、どんなペースになっても対応できるようになったのは、レイパパレが強くなってきた証拠。

しかし、大阪杯では後半5Fから2Fまで一気に加速し、終いは1.5秒も失速する異例のラップ。チャレンジCは後半5Fから3Fまで加速して、そこからラスト1Fまで失速するパターン。大原Sも加速幅は小さいが、後半5Fから2Fまで加速して、終い2Fは23.4秒と速いラップでまとめた。

つまりレイパパレは、後半5Fから2Fまで一気に加速する、スピードに特化したレースが得意で、大きなラップの加速や失速がなく、後半に持続するラップを刻んで、最後までスピードの落ちない、タフなラップのレースは未経験。大阪杯のように、ハナを奪って自分のペースでラップを刻めれば、再度GI奪取のチャンスはありそうだが、近年の宝塚記念のように、道中の加速失速がないラップになると、果たして、どこまでの信頼は置けるのか疑問だ。

■レイパパレの7連勝か、連勝ストップか

過去10年、最多は5歳馬の6勝だが、次に結果を残しているのが4歳馬の3勝。連対した4頭はすべて1・2番人気に支持されており、おそらく2番人気に支持されそうなレイパパレも、十分資格はある。

一方、大阪杯組は17年のG1昇格以降で【2-1-0-9】の成績。連対馬3頭はいずれも大阪杯は負けていた馬で、過去10年、宝塚記念で国内G1を連勝した馬はいないという高いハードルに挑戦することになる。

連勝中の馬は負けるまで買い続けろ、とはよく言われるが、レイパパレの7連勝に期待するか、あるいは連勝ストップと見るか、同馬の取捨が攻略のカギとなる。

■宝塚記念2021予想コラム一覧

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◆【脚質傾向】上がり最速馬は「連対率100%」、レイパパレは全6戦のうち最速は2戦

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◆【前走ローテ】昨年とは異なるローテを歩んでの参戦、クロノジェネシスに不安データあり
文・SPREAD編集部


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