冬のダート王を決めるフェブラリーS(GI、東京ダ1600m)が20日、東京競馬場で行われる。
昨年の覇者で、史上2頭目の連覇を狙うカフェファラオ、前走JBCスプリントでGIを初勝利したレッドルゼル、前哨戦の東海Sを上がり最速で勝ったスワーヴアラミスなどが出走する。
ここでは予想のヒントになる「血統傾向」を分析していく。
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■トレンドはサンデー系からミスプロ系へ移行
データは2017年以降のフェブラリーSを集計。3着内馬の血統表は以下の通り。
当コースは、ワンターンで直線が長く、スピードと末脚の切れ味が求められるコースであるが、瞬発力に優れたサンデー系の成績は【1-3-1-21】(勝率3.8%、連対率15.4%、複勝率19.2%/単回収値19)と不振傾向にあり、2017年のゴールドドリーム以降、勝馬を出せていない。今年は、アドマイヤオーラ産駒のアルクトスやハーツクライ産駒のスワーヴアラミスなど10頭ものサンデー系産駒が出走を予定しているが、高い評価はできない。
一方、ミスプロ系の種牡馬が【3-1-2-13】(勝率15.8%、連対率21.1%、複勝率31.6%/単回収値87)と3勝をマークするなど、好成績を残している。これは、直線に坂のあるコースであることが、サンデー系よりパワーに優れたミスプロ系が好走している要因のひとつだろう。今年は、American Pharoah産駒のカフェファラオやキングカメハメハ産駒のエアスピネルなど7頭が出走予定だ。
なかでも、注目はロードカナロア産駒のレッドルゼル。父ロードカナロア×母父ヴァイスリージェント系の牡馬は疲労に弱いのか、ゆとりのあるローテで好成績の残しており、ダート戦において中4週以内の間隔で出走してきた場合、【1-1-1-29】(勝率3.1%、連対率6.3%、複勝率9.4%/単回収値3)という成績を残しているのに対し、中5週以上だと【9-7-3-19】(勝率23.7%、連対率42.1%、複勝率50.0%/単回収値91)と好成績を残している。さらに東京コースに限定すると、【3-1-0-3】(勝率42.9%、連対率57.1%、複勝率57.1%/単回収値291)と非常に期待値が高い。
実際、レッドルゼルは昨年のフェブラリーSで4着に敗れているが、これは根岸Sから中2週という余裕のないローテだった。今年は前走のJBCスプリントから約3か月半ぶりの出走となり、疲労のないフレッシュな状態で挑む今回は、昨年以上の好走を期待できるだろう。高い連対率を誇る東京コースに舞台が替わる今回こそ絶好の狙い目となるだけに本命視したい。
▼その他、過去10年データ傾向
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フェブラリーステークス2022予想コラム一覧
▼追い切り診断
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▼穴馬予想
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▼データ予想
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文・中井達也(SPREAD編集部)