【フェブラリーS/危険な人気馬-前編】上位人気の一角は“消し” 砂の王座決定戦で「買うべきではない」1頭とは

20日に東京競馬場で第39回・フェブラリーS(GI、ダ1600m)が行われる。ディフェンディングチャンピオンとして連覇に挑むカフェファラオ、前哨戦の根岸Sを快勝したテイエムサウスダン、東海S覇者スワーヴアラミスに加え、JBCスプリントを勝利したレッドルゼル、白毛馬ソダシなどバラエティー豊富なメンバーが出走する。

ここではフェブラリーSの好走条件と想定メンバーから展開を読み解き、馬券のヒントとなる「危険な人気馬」としてレッドルゼルを取り上げたい。

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■初のGIタイトルは「金沢」で獲得

まずはレッドルゼルの前走JBCスプリントについて分析する。

大外枠からのスタートとなり、道中は外目6番手付近で競馬を進めた。向こう正面から内目に切り込んでポジションを確保し3コーナー付近から進出。4コーナーから前が開くと一気に加速し、ラチ沿いの砂が深いダートを物ともせず1着で駆け抜けた。

外伸びのトラックバイアスだったのにも関わらず、最内から末脚を伸ばしてきたことに加え、昨年行われたドバイゴールデンシャヒーン(メイダン・GI)で2着に好走した実績も含めると「国内ダート界で最上位のスピード能力を保持し、番手問わず堅実に末脚を使えるGI馬」と評価できるだろう。また、昨年のフェブラリーSでも4着に好走していることに加え、同馬を知り尽くしている川田将雅騎手が継続騎乗となる今回は好走の期待が高まるのも当然だろう。

しかし、近年のフェブラリーSでは前走地方だった馬が勝利できていないことに加え、過去10年で馬体重500キロ未満の馬は【2-4-1-55】と出走頭数の割に振るっていない成績が示す通り、パワーが必要な厳冬期の東京ダートにおいて「馬格」が劣ってしまうレッドルゼルに一抹の不安が残る。

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■大波乱の使者「ヤマメ」が示したパワー馬場

次に、過去10年のフェブラリーSおける馬体重別成績について分析してみる。

このように馬券内に好走した30頭のうち23頭はいずれも「馬体重500キロ以上」の大型馬で、500キロにも満たない馬は7頭しか馬券に絡めていない。好走したのは昨年2着のエアスピネル、20年覇者モズアスコット、19年3着カフジテイクに加え、2度の好走をみせたノンコノユメと15年2着のインカンテーション、12年2着シルクフォーチュンが該当するが、この6頭はいずれも1600m以上のダート重賞で3着以内の好走歴があった。

また、エアスピネル、モズアスコット、インカンテーション、シルクフォーチュンのデビュー戦はいずれも芝のレースで、綺麗な走りをする芝向きの馬体・走法をしていただけに、好走できた年はパワーを必要としない芝馬向きの馬場だったのだろう。しかし、今年の東京ダートの馬場は凍結防止剤の散布や先週末の雨などの影響で例年以上に力のいる馬場となっており、時計がかかりやすくさらにパワーを必要とされる条件となっている。

先週土曜日の最終レースで3連単1400万超の払い戻しの立役者となったヤマメも不良馬場でパワーを求められる門別競馬場で圧勝していた経験があり、パワーが必要な今の東京ダート馬場がマッチして高配当を演出できたのだろう。

つまり、昨年のフェブラリーSで4着に善戦した当時の馬場と比べると、今年の馬場は更にパワーが必要とされる条件となっているため、馬場適性を見極めなければならないのだ。前述で述べた通り、馬体重500キロ未満の馬は【2-4-1-55】と出走頭数の割に振るっていない成績となっていること加え、去年とは異なったローテで実に1年ぶりとなる中央競馬の重賞ともなると、道中のペースに戸惑って掛かり気味に前に行ってしまい、好位から脚を伸ばすも掲示板までという結果も想定される。

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■好走に必要な「馬格」と「持続力」

次にフェブラリーSの好走パターンを上がり3Fの順位から分析する。

・1位 【2-5-3-2】 勝率16.7%、連対率58.3%、複勝率83.8%
・2位 【1-1-1-6】 勝率11.1%、連対率22.2%、複勝率33.3%
・3位 【3-0-4-4】 勝率27.3%、連対率27.3%、複勝率63.6%
・4、5位 【4-3-1-19】 勝率14.8%、連対率25.9%、複勝率29.6%
・6位~ 【0-1-1-97】 勝率0.0%、連対率1.0%、複勝率2.0%

このように「上がり最速馬」が複勝率80%超と好成績を収めており、昨年2着のエアスピネル、2020年3着サンライズノヴァ、19年2着ゴールドドリーム、18年1着ノンコノユメ、17年3着カフジテイク、16年2着ノンコノユメと6年連続で馬券に絡んでいる。

レッドルゼルは昨年のフェブラリーSで上がり2位の末脚で4着、2走前の東京盃(大井JpnII)で上がり最速の末脚を繰り出して3着、そして前走のJBCスプリントでも上がり最速の末脚で1着と近走は安定して末脚を使えているものの、あくまで1400mまでといった短距離での末脚だ。昨年は根岸Sを経由したことでゆったりとしたペースに対して後方で末脚を温存して4着まで追い込んだが、今年は小回りの金沢でのスプリント重賞を経由してのローテとなるため、ゆったりとしたペースに戸惑う可能性もある。

また、今開催の東京ダートにおけるロードカナロア産駒は2勝を挙げているものの複勝率は僅か16.7%と不調傾向となっていることに加え、先週のダノンスコーピオンやレッドガランなど今年の重賞で人気を裏切り凡走してしまうなど、同じ厩舎の馬がいまいち流れに乗り切れていない現状もマイナス材料となるだろう。以上の不安点から馬券の妙味を考えると、レッドルゼルは「消し」の評価。

後編」ではレッドルゼルに代わる本命、そして穴馬4頭を含めた結論を紹介する。

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フェブラリーステークス2022予想コラム一覧

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文・西舘洸希(SPREAD編集部)


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