今週は東京競馬場でフェブラリーS(ダ1600m)が行われる。
昨年のチャンピオンズCを圧勝したテーオーケインズがサウジ遠征のため回避。一転して混戦ムード漂うメンバー構成となったが、その分だけ波乱の可能性は高くなったとも言い換えられる。
この記事では過去10年のデータ分析から浮かび上がったキーワードをもとに、有力馬と穴馬候補を紐解いていく。
◆【フェブラリーステークス2022予想/追い切り診断】上位人気馬を上回る最高評価「S」は充実一途の伏兵馬 攻めの姿勢で「勝ち負け可能」
■レッドルゼルの課題は「1600m以上未勝利」
初重賞制覇に海外遠征、JBCスプリントでビッグタイトル獲得と昨年は充実の1年をすごしたレッドルゼル。さまざまな選択肢があったと思われるが、陣営が選択したのは昨年4着に敗れたフェブラリーSへの参戦だった。リベンジに燃える舞台だが、気になるデータはこちら。
・1600m以上で未勝利【0-0-1-19】
このなかにはコパノキッキングやレッドルゼル自身も含まれる。ワンターンかつ直線が長く、坂もある東京ダート1600mは長めの距離実績が活きる舞台。ゴールドドリームやノンコノユメ、インティなどダート1800mの重賞連対歴を持つ馬による勝利が多いのも頷けるだろう。距離の壁に泣いてしまう頭に入れておきたいところだ。
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■カフェファラオには「勝率0%」の鬼門
昨年のフェブラリーSを制し、ディフェンディング・チャンピオンの立場として連覇に挑むカフェファラオ。3戦3勝と負け知らずの東京ダート1600m替わりで巻き返しを期する一戦だが、同馬にはこんなマイナスデータが立ちはだかる。
・4歳4月以降のAmerican Pharoah産駒成績【0-1-0-12】
唯一の馬券内は地方交流重賞によるもの。主にダート路線で質の高い馬を送り出す父の産駒だが、成長力に疑問符がついてしまう印象は否めない。カフェファラオ自身、近3走は5→9→11着と走るたびにパフォーマンスが低下。血統面の不安材料を無視するわけにはいかないだろう。
後編ではデータ面から浮上するフェブラリーSの穴馬候補2頭を紹介する。
◆【フェブラリーステークス2022予想/データ攻略-後編】推定8人気前後の“惑星”に食指 条件好転で「馬券内率100%」の“鉄板”
▼その他、データ予想
◆【フェブラリーステークス2022予想/騎手データ】前日オッズ20倍前後でも侮れない人馬 条件合致で連対率“60%超”に上昇
フェブラリーステークス2022予想コラム一覧
▼追い切り診断
◆【S評価】上位人気馬を上回る最高評価「S」は充実一途の伏兵馬 攻めの姿勢で「勝ち負け可能」
◆【A評価】自己ベスト更新の人気馬に高評価「A」 時計や気迫は申し分なく「反撃必至」
◆【A評価】“純白の女王”ソダシに高評価 厩舎流ハードトレで「大きく変わってきても驚けない」
◆【B評価】リベンジ目論む有力馬に不満の低評価「B」 陣営の“思惑”は「次戦の大一番」か
▼穴馬予想
◆【穴馬アナライズVol.1】想定オッズ“20倍”前後 「初マイルがハマる可能性あり」
◆【穴馬アナライズVol.2】単勝“下位人気”の爆穴 「ムラ駆けの馬が一発の予感」
◆【穴馬アナライズVol.3】実績上位も“伏兵”扱い 「この相手なら好勝負できる」
◆【危険な人気馬-前編】上位人気の一角は“消し” 砂の王座決定戦で「買うべきではない」1頭とは
◆【危険な人気馬-後編】人気馬を上回る“馬場適性”を持つ「爆穴」を本命視 恵みの雨で「22年前の再現」へ
▼その他、過去10年データ傾向
◆【枠順】人気のレッドルゼルは“赤枠”に入る 奪還狙うインティは好枠からのスタート
◆【血統傾向】昨年と一転、必勝ローテで挑む単回収値「291」の配合馬
◆【脚質傾向】連覇狙うカフェファラオに「黄信号」 府中得意も“末脚不発”の可能性あり
◆【前走ローテ】ソダシが再びダートに挑戦も高い壁、注目すべき好走条件とは
◆【人気傾向】GI開幕戦は波乱傾向、1人気を素直に信頼も警戒が必要なのは
▼競馬ストーリーテラー・田原基成の重賞分析TV「フェブラリーS編」
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。