今週は中山競馬場でスプリンターズS(芝1200m)が行われる。
年に2回しか行われない芝スプリントGI。昨年の覇者ピクシーナイトの不在は残念だが、マイルGI馬シュネルマイスターの参戦が電撃6ハロン戦に彩りを与えてくれた印象だ。
過去10年のデータ分析から浮かび上がったキーワードをもとに、有力馬と穴馬候補を紐解いていく。
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■メイケイエールにのしかかる「0%データ」の数々
昨年のこのレースは4着。そこから常識にかかったレース運びが見られるようになり、その後は重賞3勝を積み上げてリベンジを期するメイケイエール。秋初戦のセントウルSをレコードで駆け抜けた4歳牝馬に死角なしと思われるが、今回はマイナスデータが続出する形となった。
・GIの成績【0.0.0.4】
・叩き2戦目の成績【0.0.0.3】
いずれも馬券内率は0%。年明け以降は左回りに限定したローテーションを組まれており、右回りは久々。3歳時に同馬を苦しめた悪癖が右回りに替わって再発しないとは言い切れないだろう。
レコード勝ちの前走パフォーマンスは申し分ないが、裏を返せばレコードが出るようなハイペースゆえ同馬のかかり癖が発動しなかったとも言い換えられる。こうした諸々の不安要素から、データの上では悲願のGI制覇へ黄色信号が灯ってしまっている状況だ。
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■ナムラクレアを後押しする「前走ハンデ戦で53キロの牝馬」
夏以降はスプリント路線に鍵を切り、1.3着と馬券内を確保。勇躍この舞台に臨むのがナムラクレアだ。今回は未経験の中山に加えて未勝利の急坂コースと課題は少なくないが、前走北九州記念の経験が大きなアドバンテージとなる。
・3歳6-9月の古馬ハンデ重賞で53キロを背負った牝馬の次走成績【2.0.0.0】
こちらのデータは2000年以降を参照した。2007年北九州記念で斤量53キロのアストンマーチャン、2015年京成杯AHで斤量53キロのアルビアーノが該当。それぞれ該当レースでは馬券外だったが、その次走は前者がスプリンターズS、後者がスワンSを制していたのだ。
中間の坂路では加速ラップで4F49秒台をマークし、大舞台に向けて準備は万端。浜中俊騎手が思い入れの深いミッキーアイルの産駒でGIタイトルを獲得する可能性は十分だ。
▼その他、データ予想
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スプリンターズS2022予想コラム一覧
▼追い切り診断
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▼穴馬予想
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▼その他、過去10年データ傾向
◆【枠順】メイケイエールは7枠13番 試練となる好枠は条件合致で勝率“5割”超え
◆【血統傾向】条件合致で単回収値「437」に合致 想定“10人気”前後の穴馬とは?
◆【脚質傾向】2年連続で連対なしも コース特徴が“差し”を後押し
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▼競馬ストーリーテラー・田原基成の重賞分析TV「2022スプリンターズS-データ分析編」
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。