今週は東京競馬場でアルゼンチン共和国杯(GII、芝2500m)が行われる。昨年の勝ち馬オーソリティはその次走ジャパンCで2着。数々のGI好走馬を輩出するJRA重賞屈指の出世レースだ。
過去10年のデータ分析から浮かび上がったキーワードをもとに出走馬を分析していく。ここでは「マイナスデータ」としてキラーアビリティを取り上げる。
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■ディープインパクト産駒の壁
2歳時にホープフルSを勝利し、GI馬として春のクラシック戦線に臨んだ本馬。その春競馬は案外な結果に終わったものの、秋競馬は菊花賞へと参戦せず斤量の恩恵がある当レースを選択した。イクイノックス、アスクビクターモア、ダノンベルーガと上位勢が強力だったダービー6着の実績なら“大威張り”と言いたいところだが……今回は死角となるデータが浮かび上がってしまった。
・ディープインパクト産駒の成績【0.1.0.19】
馬券内率はわずか5.0%。このなかには1番人気に支持されたモンドインテロなど有力馬もいたが、それでも馬券内は叶わなかった。テーオーロイヤルの記事で紹介したように、2度の坂が待ち受ける東京芝2500mはスタミナが優先される条件。それが切れ味に秀でたディープインパクト産駒の台頭を阻止しているのかもしれない。この馬自身、馬券内は1800~2000mに限定。ここは慎重なジャッジを下す必要がありそうだ。
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▼競馬ストーリーテラー・田原基成の重賞分析TV「2022アルゼンチン共和国杯-データ分析編」
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。