6日は東京競馬場で伝統のハンデ重賞、アルゼンチン共和国杯(GII、芝2500m)が行われます。
東京芝2500mは年2回しか使われないコースで、5月の目黒記念と11月のアルゼンチン共和国杯専用の距離と言っていいでしょう。今回は2002年の中山開催を除く2000年以降の過去データを参考に気になる騎手データを見ていきます。
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■軸は戸崎圭太騎手で決まり
今年のアルゼンチン共和国杯に騎乗する騎手の中で、2002年の中山開催を除く2000年以降のレースで騎乗経験があるのは13騎手。各騎手のデータは次の通りです。
各騎手の騎乗数に大きなバラつきが見られると同時に、特定の騎手だけが好走する傾向がはっきりと確認できます。
まず真っ先に取り上げたいのが着順と人気のバランスに優れ、連対率も57.1%と高い数値を記録の戸崎圭太騎手です。【1.3.1.2】の数字通り勝ち切れない競馬が多いものの、2013年のアスカクリチャン(7人気1着)、2019年のタイセイトレイル(5人気2着)、2020年のラストドラフト(6人気2着)など、過去7度の騎乗全てで騎乗馬を人気以上の着順に導いています。
昨年も9番人気のレクセランスで3着馬とハナ差の4着と、伏兵馬に跨った際の勝負強さは健在。素の成績も優秀ですが【戸崎圭太騎手】×【ハンデ56キロ以上】の組み合わせは【1.3.0.0】で驚きの連対率100%。前述のアスカクリチャン、タイセイトレイル、ラストドラフトらが該当するため、人気馬だけの結果でないことに注目できます。
同騎手は今年のアルゼンチン共和国杯でハンデ57キロのヒートオンビート(牡5、栗東・友道康夫厩舎)に騎乗予定。同馬は奇しくも熱いデータに該当し、前日時点で6.2倍の3番人気。過去のデータが今年も当てはまるようならこの人気でも堅軸と考えていいでしょう。
■M.デムーロ騎手も勝負強い
続いて戸崎圭太騎手以上の高い連対率を誇るM.デムーロ騎手について見ていきましょう。
同騎手も勝ち切れない傾向こそ見られますが、2017年のスワーヴリチャード(1番人気1着)、2021年のマイネルウィルトス(4人気2着)など4度の馬券絡みがあります。また【M.デムーロ騎手】×【当日4番人気以内】の組み合わせは【1.2.1.0】と、こちらも連対率100%のパターンが見つかります。
なお、M.デムーロ騎手は前日15番人気のマイネルファンロン(牡7、美浦・手塚貴久厩舎)に騎乗予定。このままの人気が当日も続く場合は厳しそうですが、当日の人気は要チェックです。
■C.ルメール騎手も人気次第か
最後に連対率33.3%のC.ルメール騎手について見ていきましょう。同騎手は2020年のオーソリティ(3人気)、2021年のオーソリティ(1人気)と連覇中です。
2009年のトーセンキャプテン(7人気17着)の成績が響き、人気と比べると着順の大きな落ち込みが見られるものの、3番人気以内では【2.0.1.1】と悪くはありません。
同騎手は前日5番人気のボスジラ(牡6、美浦・国枝栄厩舎)に跨ります。当日3番人気以内に推されるようなら押さえてみてください。
以上、アルゼンチン共和国杯の気になる騎手データでした。データ注目騎手は文句なしのデータが算出された戸崎圭太騎手です。人気以上の好走が今年も見られるのか注目です。
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著者プロフィール
伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部
秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。