■クラウンプライド
【中間調整】今年3月のUAEダービーを制覇、そして13着大敗に終わったものの5月は米ケンタッキーダービーに挑戦と今春は海外を転戦。春にダートホースが目指すべき大目標がない日本競馬界の現状へ問題提起するかのような活躍ぶりだった。秋は国内専念。帰国初戦の日本テレビ盃で2着とまずまずの滑り出しを見せると、一線級との初対決だったJBCクラシックではテーオーケインズにこそ完敗だったものの、自身初の逃げる形から2着を確保し、能力の高さをアピールした。その後はチャンピオンズカップでのリベンジを期し、盛岡から直接宮城県の山元トレセンに入り短期放牧。帰厩後の初時計だった11月16日にさっそく坂路ラスト2F14秒2-12秒9(馬なり)とギアをしっかり上げる内容をこなせており、放牧での緩みは一切感じられない。1週前の坂路併せ馬ではアタマ差遅れだったが、完全に抜け出して鞍上が手を緩めたところで相手が盛り返してきたもの。動きは上々と言えた。
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【最終追い切り】レース当週も坂路で併せ馬。2歳未勝利に対して手応え劣勢で併入と見栄えは悪いが、4F全体51秒0(一杯)は自己ベスト更新の数字だった。1週前で見せたようなモタれる面、フワりとする場面がなく最後まで集中して走れていた点は好感。
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【見解】どうしても手応えで見劣るので見栄えはしないのだが、いい意味でズブくて鞍上に追わせる強いダート馬によくあるパターン。懸念視は不要だろう。海外転戦をこなし、帰国初戦でさっそく2着。そしてこの中間もバリバリと強い負荷の攻めをこなせている心身のタフさは特筆レベル。前走で完敗を喫した相手打倒への強い意欲も感じる。申し分のない攻め気配だ。
総合評価「S」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。