11日に函館競馬場で行われる函館スプリントS(GIII、芝1200m)の「血統傾向」を分析する。
札幌開催の2021年を除く、函館で行われた過去5回の函館SSで3着内に入った種牡馬データを集計した下記の血統表をもとに推奨馬を紹介する。
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■ダッシュ力と持続力を有するキングマンボ系
過去5回の種牡馬成績を見ると、ミスプロ系種牡馬が3勝2着2回と好成績を残している。特にキングマンボ系は3勝のうち2勝を挙げるなど躍動している。
昨年は勝ち馬こそ出なかったが、7番人気のジュビリーヘッド(ロードカナロア産駒)が2着に好走しており、好相性の舞台といえるため、今年も要注目の血統と言えるだろう。
一方、サンデーサイレンス系種牡馬は【1.2.2.20】という成績。単勝回収値は8とアタマでは買いにくい。今年もキンシャサノキセキ産駒のリバーラやシルバーステート産駒のウォーターナビレラなど複数の出走があるが、今回は軽視したいところだ。

キングマンボ系種牡馬が得意とする理由は、コース形態とレース時期にある。右回りの洋芝が舞台であり、開幕週で行われる短距離レースでは、先行ができるダッシュ力と持続力を持ったキングマンボ系の血が活かされるというわけだ。今回はキングマンボの血を持つ2頭を推奨馬としてピックアップしたい。
今回はロードカナロア産駒に注目する。
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■ジュビリーヘッド
父に香港スプリント連覇など国内外でGI・6勝のロードカナロア、母父は無敗の三冠馬・ディープインパクトという血統構成。
ジュビリーヘッドは昨年の本レース2着馬。その後、GIIIのスプリント戦に3度出走したが、最高着順は5着と苦しい結果が続いている。
ただし、本馬は夏競馬において力を発揮するタイプ。6~9月に出走すると【2.3.0.2】の成績を残しており、暑い時期でも問題なく走れるタフさが持ち味だ。
次に血統面のデータを見ていきたい。ロードカナロア産駒の牡・セン馬は、2018年以降、函館芝のレースに出走すると【16.13.2.63】という成績で、勝率17.0%、複勝率33.0%をマーク。この成績は中央10場全体で見ても、勝率、複勝率ともにトップの成績を示している。少し意外な結果でもあったが、ロードカナロアの牡馬は函館で買える血統と言って良いだろう。
なかでもノーザンファーム生産馬に絞ると、その成績は【8.6.0.16】。勝率26.7%、連対率46.7%と非常に高い勝率を挙げている。これは中央10場全体でダントツの数値だ。
さらに単勝回収値は132であり、人気薄でも好走する傾向にある。ジュビリーヘッド自身も、函館の舞台で3戦しており、2着3度と勝ち切ることは出来ていないが、連対を外していないところは注目すべきポイント。近走調子が上がっておらず、人気は落ちそうなジュビリーヘッドだが、ここは臆せず積極的に狙っていきたい1頭だ。
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文●中井達也(SPREAD編集部)