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■キミワクイーン
【中間調整】古馬重賞初挑戦だったオーシャンSこそ外めから速い流れを追走する強気の競馬が裏目に出て12着に終わったものの、その後リステッドの春雷Sがクビ差2着、前走の函館スプリントSでは外後方から鮮やかに突き抜け重賞初勝利をモノにしている。前が止まらないとされる開幕週の馬場状態を考えれば、3/4馬身差という額面以上の評価を下していいだろう。これで洋芝戦は2戦2勝。前走後放牧先で目立った反動はないことから、予定通りキーンランドCへの進出が決まった。
◆【キーンランドカップ2023予想/追い切り診断】GI2着馬が辛口評価「B」 「最終追いを札幌芝で行いたかったはず……」
7月28日に札幌入り。丹念なケアを施されたのち、8月10日にダートコースで14-14を出したのが初時計だった。1週前追いには横山武騎手が騎乗し、芝コースで併せ馬。仕掛けられてバタつく先行馬をアオり、最後はスパッと切れて2馬身の先着を果たしている。
【最終追い切り】レース当週も横山武騎手が騎乗。先週の併せ馬で猛時計を出しているので、今回は鞍上との意思疎通をさらに深めるような終い重点の単走追いだった。序盤から単走とは思えない集中ぶりで進み、直線半ばの見せムチへ機敏に反応し、しっかり加速。なめらかな脚の回転に好感が持てる。
【見解】脚元なのか精神的なものか、入厩してから初時計までに時間を要したのは気になるが実際に時計を出し始めてからの動きは秀逸。最終追いも単走とすれば上々の動きだった。その最終追いで完全な馬なりではなく、見せムチが必要だったあたり鞍上・横山武騎手が「前走ほどではないかな……」と吐露した要因かもしれないが、なんにせよ動きそのものは前走時と遜色なく、ここでしっかり気合いを入れられたことで本番までの良化も見込めそうだ。重賞連勝があって驚けない。
総合評価「A」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。