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■オールアットワンス
【中間調整】前走のアイビスSDが、前年アイビスSDからジャスト1年ぶりの復帰戦。攻めでは水準以上の時計は出せていたものの、久々を考えればやはり本数自体が物足りず、デキとしては8割あるかないかといったところだった。それでも高い千直適性、そして“代打で元サヤ”だった鞍上・石橋騎手の巧みな手綱捌きもあり、短距離戦では決定的と言える1馬身1/4差の完勝を収めている。
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1年ぶりのレースを快勝した反動がなかったことから、次の目標は10月4日の交流重賞・東京盃が本線、あるいはスプリンターズSというところだった。手堅くいくならダート短距離重賞だが、状態回復の早さ、そして年に2回のスプリントGIがあるというタイミングも千載一遇でスプリンターズSを目指すことに。ノーザンファーム天栄での短期放牧を挟み、9月17日にウッドで軽快な動きを披露。21日のウッド1週前追いでは準オープン馬を相手にせず抜き去った。
【最終追い切り】レース当週もウッドで併せ馬。道中から前向きさにあふれており、早めに目標の馬に取り付き併走状態で4角を通過。まったくの馬なりのまま、外の相手が加速すると自然と呼応してギアを上げ、併入としている。素軽さは上々で、仕掛ければいくらでも突き放せたような雰囲気があった。
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【見解】アイビスSDを2勝し、千直ではやり切った感がある。今後はいい意味で一本調子の高いスピード能力を活かすべく、ダート短距離路線を主戦場とする青写真が描かれているようだが、その前に芝スプリントGI参戦。古馬となってからはコーナーのある競馬ではさっぱりで“思い出作り”の挑戦という感もあるにはあるが、やはり状態面の確証がないとできない判断。2歳秋の話ではあるが、中山芝1200m戦では快勝経験あり。想定以上に良化を果たした目下の気配なら、まさかの大仕事があるかもしれない。
総合評価「A」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。