今週は中山競馬場で有馬記念(芝2500m)が行われる。
3歳にして天皇賞・秋を制したエフフォーリアにグランプリレース4連覇を狙うクロノジェネシス、そして今年の菊花賞馬タイトルホルダーなどが相対するドリームマッチ。暮れの大一番にふさわしい豪華メンバーによる、寒さを吹き飛ばす熱い戦いに期待が集まる。
この記事ではデータ面から有馬記念を紐解き、攻略への糸口を見つけていきたい。
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■連覇を狙うクロノジェネシスに死角はあるのか
ディフェンディング・チャンピオンにして宝塚記念を連覇。グランプリ4連覇の偉業達成を目論むのがクロノジェネシスだ。凱旋門賞はタフな馬場コンディションに根負けしてしまった印象も、国内では2020年以降馬券外なし。グランアレグリア、コントレイルと引退レースを勝利で飾った馬が続くなか、クロノジェネシスを後押しするデータは存在するのだろうか。
・同年宝塚記念を0秒3差以上で勝利【2-0-2-0】
リスグラシューや昨年のクロノジェネシス、そして海外遠征帰りかつ外枠だったゴールドシップも渋太く3着に。安定感には目を見張るものがある。C.ルメール騎手も思わず声のトーンが上がった4枠7番も好材料。グランプリ4連覇を手土産に、ターフに別れを告げるシーンは想定すべきだろう。
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■エフフォーリアを後押しする「皐月賞勝利実績」
無傷の4連勝で皐月賞を勝利。大本命で迎えた日本ダービーはハナ差2着も、前走天皇賞・秋で最強クラスの古馬2頭を撃破したエフフォーリア。当時負かしたコントレイル、グランアレグリアはいずれも次走引退レースを勝利。絶対能力は言うまでもなく、ここを制して現役最強をアピールしたいところだが……ここでお伝えするのは以下のデータだ。
・同年皐月賞の勝ち馬【2-1-0-0】
一見すると母数は少なく感じる。しかし、年代をさらにさかのぼるとヴィクトワールピサ、ディープインパクト、テイエムオペラオーなど好走馬がズラリ。同じ中山芝2000mのGIホープフルS勝ち馬に目を向けるとサートゥルナーリアが3歳時に有馬記念2着好走。中山芝GI勝ち馬×有馬記念のマッチング率は極めて高い。「レースを使わないこと」がトレンドの近代競馬。下半期2戦目かつ天皇賞・秋から適度な間隔をあけて臨めるこの馬が得られるアドバンテージにも注目したいところ。皐月賞を制した中山芝GIの舞台で再び輝く姿が見られる可能性は十分だ。
後編ではデータ面から浮上する有馬記念の穴馬候補2頭を紹介する。
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有馬記念2021予想コラム一覧
▼追い切り予想
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▼穴馬予想
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▼その他データ傾向
◆【枠順】エフフォーリアは昨年勝利の5枠に、クロノジェネシスは最多勝利の4枠へ
◆【血統傾向】過去3年で9頭中7頭が該当 浮上した“10人気”前後の穴馬
◆【脚質傾向】上がり最速の差しが活躍も、キタサンブラックの好走から導いた注目すべき馬とは
◆【前走ローテ】菊花賞組が最多4勝と好成績も、クロノジェネシスら凱旋門賞組の気になる点とは
◆【人気傾向】勝率「60%」を誇る1人気を素直に信頼も、2着に人気を落とした「GI惨敗馬」の好走で波乱の可能性
▼競馬ストーリーテラー・田原基成の重賞分析TV「有馬記念編」
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。