「前編」ではレース展開から差し・追込に着目。昨年11番人気2着・サラキアのような大外強襲をイメージし、「後編」では後方待機の馬から穴馬2頭を紹介する。
◆【有馬記念2021予想/穴馬アナライズ-前編】カギはパンサラッサの「大逃げ宣言」 名牝も沈んだ展開に“伏兵”台頭の可能性
■アカイイト
前走のエリザベス女王杯では10番人気の低評価ながら、3~4コーナーで大外をマクり、人気のレイパパレらが伸びあぐねるなかで圧勝して見せた。今年6月に3勝クラスの垂水Sを制して待望のオープン入りを果たしたが、そこからわずか5カ月足らずでGIホースの仲間入りをしているあたり、伸び盛りの4歳馬らしく右肩上がりの成長曲線を描いている。
やはり触れておきたいのは前走・エリザベス女王杯の勝ちっぷり。後方で構えた同馬は、前半59秒0のよどみのない流れのなか残り600mあたりで外から進出を開始し、残り1ハロンのところで単独先頭に立った。最後まで脚色は衰えることなく押し切ったあたり、持続力の高さと底力をうかがわせた。人気薄ではあったものの、フロックではないと見る。
懸念点といえば激戦のダメージだが、2週連続でしっかり時計を出していることから気にすることはなさそう。前回から300mの距離延長でキャリア初の2500mだが、充実期を迎えた今なら高いハードルではない。GIで再び波乱を巻き起こす可能性は十分だ。
▼その他穴馬アナライズ
◆【穴馬アナライズ-前編】カギはパンサラッサの「大逃げ宣言」 名牝も沈んだ展開に“伏兵”台頭の可能性
◆【穴馬アナライズ-後編Vol.2】前日“10人気”前後の盲点 コース相性と展開利で波乱を演出
有馬記念2021予想コラム一覧
▼追い切り予想
◆【S評価】最高評価「S」は抜群の“操縦性”と“精神力”を誇る有力馬 「動きも申し分ない」
◆【A評価】クロノを上回る高評価は10人気以下の穴馬 ブレのない走りで「躍動感満点」
◆【A評価】高評価「A」は“意思疎通”を深めた人気馬 精神面に磨きがかかり「気配上々」
◆【B評価】ラストランVを目論むクロノジェネシス、気になる「凱旋門賞のダメージ」は
▼穴馬予想
◆【危険な人気馬-前編】人気の一角は“消し” 世代交代を占う今年最後のGPで「買うべきではない」1頭とは
◆【危険な人気馬-後編】本命・対抗には黄金世代の3歳馬、連下にメロディーレーンを指名する「2つの理由」とは
▼データ予想
◆【データ攻略-前編】連覇を狙うクロノジェネシスを後押しする、「複勝率100%」の追い風
◆【データ攻略-後編】勝負駆けを匂わす人気の盲点、“馬券内率70%超”の「ゴールデンコンビ」で大物喰い
◆【騎手データ】最多4勝の池添謙一を警戒も、信頼すべきは条件合致で複勝率75%を誇る名手
▼その他データ傾向
◆【枠順】エフフォーリアは昨年勝利の5枠に、クロノジェネシスは最多勝利の4枠へ
◆【血統傾向】過去3年で9頭中7頭が該当 浮上した“10人気”前後の穴馬
◆【脚質傾向】上がり最速の差しが活躍も、キタサンブラックの好走から導いた注目すべき馬とは
◆【前走ローテ】菊花賞組が最多4勝と好成績も、クロノジェネシスら凱旋門賞組の気になる点とは
◆【人気傾向】勝率「60%」を誇る1人気を素直に信頼も、2着に人気を落とした「GI惨敗馬」の好走で波乱の可能性
▼UMAJINチャンネル「必勝!岡井塾-有馬記念編」
著者プロフィール
山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長
元・競馬月刊誌の編集長で、現在はスポーツの未来を読みとくメディア『SPREAD』の編集長。1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、穴馬予想を追求し続けている。会心の的中はキセキが制した2017年菊花賞の3連単55万9700円。