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【金鯱賞/危険な人気馬-前編】実績上位の人気馬は“消し” 春の中距離路線を占う一戦で「買うべきではない」1頭とは

【金鯱賞/危険な人気馬-前編】実績上位の人気馬は“消し” 春の中距離路線を占う一戦で「買うべきではない」1頭とは

13日に中京競馬場で第58回・金鯱賞(GII、芝2000m)が行われる。昨年の大阪杯を制したレイパパレ、昨年のエリザベス杯覇者アカイイト、前走・白富士Sを逃げて勝利し目下4連勝中と勢いに乗るジャックドール、京都記念で3着に好走したサンレイポケットなどが出走予定だ。

ここでは金鯱賞の好走条件と想定メンバーから展開を読み解き、馬券のヒントとなる「危険な人気馬」としてサンレイポケットを取り上げたい。

◆【金鯱賞2022予想/追い切り診断】重賞未勝利馬に最高評価「S」 気配絶好で「勝ち負けになっていい」

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■充実期を迎えた7歳馬

まずはサンレイポケットの前走京都記念について分析する。

約2年ぶりの右回りだったことが影響したのか、スタートして位置を取れず後方8番手から競馬を進めた。4角まで脚を溜めて、ラストで一旦は前へ出られていたジェラルディーナを目標に上がり33秒8の末脚で追い込み、3着入線。前が残る厳しい展開だったのにも関わらず、自力で3着まで急追した内容は見た目以上に強い内容だった。

天皇賞・秋、ジャパンCで強敵相手に4着という実績に加え、7歳馬にして自力強化が著しい近況からも「中距離路線でトップクラスの末脚を保持し、条件問わず安定した成績を残せるベテラン」と評価できるだろう。また、今回も鮫島克駿騎手が継続騎乗となることに加え、中京芝2000mの条件で2勝を挙げていることを踏まえると、今回も好走の期待が高まるのは当然だろう。

しかし、金鯱賞では前走阪神競馬場だった馬の成績が【0-0-1-11】で勝率0.0%、連対率0.0%、複勝率9.1%と振るわない成績になっていることに加え、明らかに格下の実績だったアフリカンゴールド、タガノディアマンテらに先着を許し、6着馬のレッドガランが次走で人気を背負うも4着に負けてしまっている現状も踏まえるとレースレベルは高かったと評価できるものではないため、サンレイポケットに一抹の不安が残る。

◆【金鯱賞2022/枠順】2年連続Vの「5枠」にはGI馬が入る 注目のジャックドールは3枠に

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■実績上位もペース次第で凡走アリ

次に、直近5年間における金鯱賞の勝ちタイム及びラップタイムを分析してみる。


▼ラップタイム
・【2021年】13.0-11.5-12.6-12.4-11.9-11.7-11.9-12.1-11.9-12.8
・【2020年】12.9-11.8-13.2-13.0-12.7-12.4-11.8-11.2-11.1-11.5
・【2019年】12.7-10.8-12.1-12.5-12.9-12.3-12.2-11.6-11.3-11.7
・【2018年】13.3-11.9-13.1-12.9-11.8-12.4-12.0-11.4-11.2-11.6
・【2017年】12.6-11.3-12.6-12.2-11.7-11.7-12.0-11.9-11.4-11.8

重馬場で行われた昨年の金鯱賞はミドルペースで逃げたギベオンが自力比べを制したが、それを除いた直近5年の金鯱賞(稍、良馬場開催)において「逃げ」で上位入線した3頭は36秒後半~38秒台のスローペースに落とし、後半3Fから加速ラップを踏むようなレース運びで好走していた。

これは中京芝2000mのコース形状に要因があり、スタートしてすぐに上り坂があるためペースは落ち着きやすく、加えて出走頭数が少ないこともあり、逃げ馬がレースの主導権を握りやすくなっている。

サンレイポケットがオープン入り後に唯一勝利した昨年の新潟大賞典(1着)が、前半1000m通過57秒1というハイペースのなかで後方から末脚を繰り出して優勝しているように、基本的にはハイペースを好んでいる馬。前走の京都記念でも露呈したが、前半1000mの通過タイムが1分以上かかるスローペースに落とされてしまったレースにおいては一度も馬券内に好走できていないように、スローペースからの瞬発力勝負になってしまうと好走の可能性も低くなってしまうため、差しても掲示板までという結果も想定されるだろう。

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◆【金鯱賞2022/血統傾向】惨敗続きの穴馬に”妙味” 単回収値「238」の復活を期す重賞馬

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■3月開催への移行で前残り濃厚

次に金鯱賞の好走パターンを上がり3Fの順位から分析する。

・1位 【3-1-1-7】 勝率25.0%、連対率33.3%、複勝率41.7%
・2位 【2-1-3-9】 勝率13.3%、連対率20.0%、複勝率40.0%
・3位 【2-1-2-4】 勝率22.2%、連対率33.3%、複勝率55.6%
・4、5位 【0-3-3-13】 勝率0.0%、連対率15.8%、複勝率31.6%
・6位~ 【3-4-2-64】 勝率4.1%、連対率9.6%、複勝率12.3%

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このように、上がり最速馬が最多の3勝を挙げ、勝率、連対率、複勝率ともに高い数値を収めているが、「上がり6位以下」の逃げ・先行馬も3勝を挙げ連対数7回と好成績を収めている。

これは前述でも述べた中京芝2000mのコース形状が影響していることに加え、3月に開催時期が移行後、開幕週で行われるようになったことでインをうまく立ち回った先行馬が残ることができる馬場になっていることも影響しているのだろう。

サンレイポケットは前走で4角9番手から上がり2位の末脚を繰り出し、2走前のジャパンCでは4角7番手から上がり7位、3走前の天皇賞・秋では4角6番手から上がり5位の末脚をマークしているように近走はポジション取りに苦労している。つまり開幕週の金鯱賞におけるスイートスポットにサンレイポケットは該当しない。このことからも人気以上に軽視する必要があるのではないか。

以上の理由からサンレイポケットは消しの評価。「後編」ではサンレイポケットに代わる本命、そして穴馬4頭を含めた結論を紹介する。

◆【金鯱賞2022予想/危険な人気馬-後編】条件不問の“優等生”を本命視 「昨年以上の着順があってもいい」

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▼その他、穴馬予想
◆【穴馬アナライズ-後編Vol.1】単勝“10人気”前後の爆穴 「前走は負けて強しの好内容」

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◆【穴馬アナライズ-後編Vol.2】想定“20倍”前後の伏兵 「展開利で連続好走の好機」

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◆【穴馬アナライズ-後編Vol.3】惜敗続きで“人気落ち”の妙味 「中京なら必ず飛んでくる」

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金鯱賞2022予想コラム一覧

▼データ予想
◆【騎手データ】人気馬に騎乗の名手は“切り候補” 狙うべきは穴騎手の2人

◆【データ攻略-前編】人気一角に警鐘 得意条件も「勝率0%」の壁

◆【データ攻略-後編】「人」の力で浮上する惑星 馬券内率60%で波乱を呼ぶ

▼追い切り診断
◆【S評価】重賞未勝利馬に最高評価「S」 気配絶好で「勝ち負けになっていい」

◆【A評価】人気一角に及第点「A」評価 上積み大で「巻き返しに期待」

◆【A評価】有力馬を上回る高評価「A」は人気薄 素軽さアップで「好勝負必至」

◆【B評価】有力馬に不満の「B」評価 ギアが入らず「前哨戦仕上げ」か

▼その他、過去10年データ傾向
◆【枠順】2年連続Vの「5枠」にはGI馬が入る 注目のジャックドールは3枠に

◆【血統傾向】惨敗続きの穴馬に”妙味” 単回収値「238」の復活を期す重賞馬

◆【脚質傾向】開幕週の中京は「先行決着」濃厚 今年も逃げ残りに注意

◆【前走ローテ】GI馬アカイイトに警鐘 「有馬記念組」に隠された着順の罠

◆【人気傾向】昨年は最低人気が勝利で波乱決着 今年も伏兵馬の浮上なるか

文・西舘洸希(SPREAD編集部)

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