過去10年、高松宮記念は1番人気が【2-1-3-4】と2勝をマーク。2番人気は【3-4-0-3】、3番人気も【2-2-3-3】と、3番人気以上が20頭も馬券に絡んでいるように本命寄りのレースとなっている。
◆【高松宮記念2022予想/穴馬アナライズ-後編Vol.1】単勝“8人気”前後の盲点 「展開次第で波乱の立役者に」
しかし一方で、2020年には9番人気モズスーパーフレアの勝利で3連単21万馬券が飛び出したほか、19年には12番人気セイウンコウセイが2着、3着には17番人気ショウナンアンセムが激走し3連単449万の大荒れに。
6番人気以下で馬券圏内に好走したのは7頭いるが、共通点は前走がオーシャンSかシルクロードSで「5人気以上で敗退」、もしくは「人気薄で掲示板」ということ。例年、高松宮記念の人気の中心は強豪馬が集まる阪急杯組となっており、出走馬のレベルが一枚落ちる前述2レースからの臨戦は軽視されやすい傾向にある。その結果、実力以上に過小評価された穴馬が誕生するわけだ。今回はこの2レースから盲点をピックアップする。
■ファストフォース
オーシャンS3番人気9着から大一番に臨むファストフォース。その前走では内枠が災いしスタートからピリッとした脚が使えず、道中でも徐々にポジションを落としていくなど、この馬の競馬ができておらず度外視していい一戦だった。
重賞初制覇が昨年のCBC賞で、ハンデ戦で52キロを背負っての逃げ切り勝ちだっただけに恵まれた感があるものの、その後は55キロの北九州記念で2着、56キロの京阪杯で3着など、自分の競馬ができればこのクラスでもやれる力は示している。ポテンシャルは高く、戦前の下馬評ほど他馬との差はないと判断できる。
理想はスッとハナに立つ形か、逃げ馬を先に行かせた外の番手。それを思えば今回入った15番枠は喜んでいいだろう。馬場状態も不問で、前々から渋太く粘り込みに期待だ。
◆【高松宮記念2022予想/穴馬アナライズ-後編Vol.2】想定オッズ“30倍”前後の伏兵 「タフな馬場も問題なし」
▼その他、穴馬予想
◆【高松宮記念2022予想/危険な人気馬】前走快勝のGI馬は“消し”評価 「不安要素の方が大きい」
高松宮記念 2022予想コラム一覧
▼追い切り診断
◆【S評価】有力馬に文句なしの「S」評価 「精神面は特筆レベル」
◆【A評価】レシステンシアに「A」評価 「昨年の鬱憤を晴らす可能性は十分」
◆【A評価】高評価は想定“10人気”以下 GI制覇へ「人事を尽くした調整」
◆【B評価】スプリント初挑戦のGI馬に辛口「B」 脚周りより不安な面とは
▼データ予想
◆【データ攻略-前編】メイケイエールのGI初制覇に暗雲、降りかかる「馬券内率0%」とは
◆【データ攻略-後編】雨が追い風に、「連対率100%」が強力後押しする伏兵馬とは
◆【騎手データ】条件合致で複勝率80%に上昇 軽視禁物の「栗東の名手」とは
▼その他、過去10年データ傾向
◆【枠順】春のGIシリーズが開幕 昨年のリベンジを狙うレシステンシアは4枠に入る
◆【血統傾向】中京芝1200mで浮上する“大穴” 「激走の可能性が高い」
◆【脚質傾向】人気一角に“勝率0%”の警鐘 理想ポジションは「好位差し」
◆【前走ローテ】中心は前走・阪急杯組 グレナディアガーズには試練のデータ
◆【人気傾向】上位人気の決着例は多数 少点数で攻めるのがベターか
▼UMAJINチャンネル「必勝!岡井塾-高松宮記念編」
著者プロフィール
山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長
元・競馬月刊誌の編集長で、現在はスポーツの未来を読みとくメディア『SPREAD』の編集長。1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、穴馬予想を追求し続けている。「ウマ娘」はゴールドシップ推し。