春の短距離王決定戦である高松宮記念に、昨年2着のレシステンシアや一昨年の朝日杯FS以来のGIタイトルを目論むグレナディアガーズ、シルクロードSで復活の勝利を挙げたメイケイエールなどが出走予定。過去10年で1~3番人気が全て馬券外に沈んだことは一度もないが、大波乱の決着だった19年のように上位人気の取捨選択をすることが重要となってくる。
今回の「危険な人気馬」として取り上げるのは、前走の阪神Cで差し切り勝ちを収めたGI馬・グレナディアガーズだ。
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■天候、適性に懸念
2歳時の朝日杯フューチュリティSでステラヴェローチェらを封じてGIタイトルを獲得したグレナディアガーズ。その後はマイル前後の重賞に挑戦し、シュネルマイスターやグランアレグリアなどといった強豪相手に苦汁をなめてきた。しかし、前走の阪神Cではダノンファンタジー、セイウンコウセイらGI馬相手に差し切り勝ちを収め、1年ぶりの重賞タイトル獲得となった。
完成度が高く、スピード能力に長けているフランケル産駒で、サンデーサイレンスの血を持たない馬が好走傾向にある高松宮記念との相性は間違いなく良いだろう。しかし、フランケル産駒は馬場に左右されやすいため、今週末の雨予報は決して歓迎材料とはならない。その証拠にこれまでフランケル産駒の芝1200mの成績に注目すると、良馬場のレースに80頭が出走し9勝(勝率11.3%)を挙げているのに対し、稍重・重・不良のレース計29頭が出走したものの勝ち馬は僅か1頭(勝率3.4%)と大幅に数値を下げている。
また、高松宮記念はスピードや決め手が要求されるスプリンターズSとは異なり“立ち回りの巧さ”が求められる特殊な舞台で、この10年でもセイウンコウセイやレッツゴードンキなどコース適性の高い馬の好走が目立っている。2歳時にファルコンSで2着に好走しているだけに中京適性がある様にみえるが、対峙したメンバーがその後勝てていないことを踏まえると結果的に低レベルのメンバー構成だったためで、決して適性があったわけではない。加えて初のスプリント戦ともなればペースに戸惑う可能性も高く、不安要素の方が大きいというわけだ。
ここは人気一角のグレナディアガーズを「消し」とする。今年の中京適性と週末の雨による馬場の適性をイメージすれば、重馬場だった昨年の本舞台を好走したレシステンシアを中心に、メイケイエール、トゥラヴェスーラ、レイハリアら、中京芝1200mを経験してきた馬を上位に評価したい。
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▼追い切り診断
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ドバイワールドカップデー 予想コラム一覧
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日経賞 過去10年データ
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文・西舘洸希(SPREAD編集部)