過去10年、桜花賞では前走・チューリップ賞組が【5-7-6-29】で最多5勝。ただし、チューリップ賞1着馬が桜花賞を制したのは、2009年のブエナビスタが最後であり、むしろチューリップ賞で2着以下の馬が本番で巻き返すケースが目立つ。
また、GIIへ昇格した2018年以降は【0-3-2-12】と2着止まり。近年は「直行ローテ」の活躍が顕著で、昨年も阪神ジュベナイルFから直行したソダシとサトノレイナスがワンツーを飾った。
しかし、この直行ローテで結果を残した馬を並べると、ソダシ、サトノレイナス、グランアレグリア、アーモンドアイ、レッドリヴェールと、2番人気以内の馬がずらり。今年、直行ローテ組に上位人気が想定される馬は見当たらず、むしろ前走・トライアル組に「盲点」は潜んでいると見た。
◆【桜花賞2022予想/穴馬アナライズvol.1】単勝“2桁”オッズの惑星 「相手強化も侮れない根性娘」
■ナムラクレア
世代上位のスピードを武器に、2歳夏にスプリント戦の小倉2歳Sを制して重賞タイトルを掴むと、秋シーズンは芝1400mのファンタジーSで2着、マイルの阪神JFでは5着。続く前走フィリーズレビューでは1.7倍の支持を集めたが、2番人気サブライムアンセムにうまく乗られて2着までだった。
その前走、経済コースを立ち回った勝ち馬に対し、同馬は外々を回らされるロスの多い競馬。3カ月ぶりで馬体重プラス12キロで出走となったように、やや立派に見せていたのも道中の行きっぷりに影響した。敗れはしたものの、勝ちに等しい内容だと評価する。
再びのマイル戦に距離適性への不安の声は多い。確かに距離を延ばして着順を落としているが、それに比例して相手も強くなってるだけに敗因を距離に求めるのは早計だ。レース内容自体は悪くなく、結果も大きく崩れていないように1600mも十分守備範囲。さらに今回は最内枠とくれば、評価を落としているここが絶好の狙い目と見る。
小倉2歳女王のフィリーズレビュー2着からの臨戦は、2017年に戴冠したレーヌミノルを思い起こさせる。この馬も戦前は距離不安が囁かれ本番は8番人気に甘んじていたものの、レースでは先行集団から抜け出しそのまま押し切った。この時と類似の臨戦過程を歩む同馬の再現があっていい。
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著者プロフィール
山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長
元・競馬月刊誌の編集長で、現在はスポーツの未来を読みとくメディア『SPREAD』の編集長。1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、穴馬予想を追求し続けている。「ウマ娘」はゴールドシップ推し。