10日に阪神競馬場で行われる桜花賞(GI、芝1600m)の「血統傾向」を分析する。
前走のチューリップ賞で、世代屈指の末脚を繰り出し完勝のナミュールや、昨年の阪神ジュベナイルFを制し、最優秀2歳牝馬に輝いたサークルオブライフをはじめ、前走クイーンCで後方待機から豪快な差し切り勝ちを決めたプレサージュリフト、阪神ジュベナイルF2着から直行ローテで挑むラブリイユアアイズら世代トップクラスの有力馬が牝馬クラシック一冠目の舞台へと駒を進めてきた。
ここでは、血統データから読みとく桜花賞の推奨馬を紹介する。
◆【桜花賞2022予想/追い切り診断】渾身仕上げでナミュール超えの「S」評価 「勝ち負けがあっていい」
■持続力とパワーに富んだノーザンテーストとロベルトの血
データは2017年以降の桜花賞を集計。3着内馬の血統表は以下の通り。
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初年度産駒のマルセリーナが2011年の桜花賞を制すなど、デビュー以来4年連続で桜の女王を輩出していたディープインパクト産駒だったが、近5年では【1-1-1-18】(勝率4.8%、連対率9.5%、複勝率14.3%/単回収値16)と往年の勢いはもはやない。代わりにダイワメジャーやオルフェーヴル、ルーラーシップなどノーザンテースト内包の種牡馬やロベルト系のエピファネイア産駒から好走馬が出ていることがわかる。
この理由はコース形態にある。阪神芝1600mは、直線が長くゴール前に急坂が待ち構えているコース形態で、スピードだけで押し切ることは難しく、スピードの持続力と坂をこなすパワーが不可欠。そこで、持続力とパワーに富んだノーザンテースト内包の種牡馬やロベルト系種牡馬の出番というわけだ。今回はノーザンテーストを内包しているドゥラメンテ産駒とロベルト系のエピファネイア産駒からそれぞれ2頭を推奨馬としてピックアップしたい。
まず1頭目は、アドマイヤリードを半姉に持つドゥラメンテ産駒のベルクレスタだ。父ドゥラメンテ×母父ミスプロ系の牝馬は、芝のレースにおいて、前走上がり3Fが1位の場合【5-1-1-1】(勝率62.5%、連対率75.0%、複勝率87.5%/単回収値242)。持ち前の末脚を続けて発揮できるタイプで、非常に高い勝率をマークしている。前走のクイーンCでは内枠が仇となり追い出しが遅れ、上がり最速を記録しながら差し届かず3着。今回は道中スムーズに運べれば、一発の可能性を秘めていそうだ。
2頭目は、エピファネイア産駒のサークルオブライフに注目したい。父エピファネイアの牝馬は、阪神芝1600mの舞台で【8-5-7-36】(勝率14.3%、連対率23.2%、複勝率35.7%/単回収値465)。さらに中3週以内の間隔で出走してきた場合、【3-1-0-9】(勝率23.1%、連対率30.8%、複勝率30.8%/単回収値1532)と叩き良化型だ。前走のチューリップ賞では、3カ月ぶりの出走でありイレ込みが見られ、ナミュールやピンハイに先着を許した。しかし叩いた上積みが見込める今回は、逆転の可能性は十分にある。
▼その他、過去10年データ傾向
◆【枠順】人気2騎は「3年連続連対」の8枠 馬券内率0%の“鬼門”に実績馬が入る
◆【脚質傾向】人気馬に立ちはだかる“名牝”の壁 好データには「穴候補」がずらり
◆【前走ローテ】前走・チューリップ賞組は5連敗 「中10週以上」の直行組に警戒
◆【人気傾向】サークルオブライフかナミュールか、馬券内率8割を誇るのは「2番人気」
桜花賞2022予想コラム一覧
▼追い切り診断
◆【S評価】渾身仕上げでナミュール超えの「S」評価 「勝ち負けがあっていい」
◆【A評価】サークルオブライフと並ぶ「A」評価は伏兵 「大仕事をやってのける可能性」
◆【A評価】評価は2強の一角に軍配 「確かな成長」で好勝負必至
◆【B評価】ナミュールに不満の「B」評価 「気持ちの面で乗り切れていない」
▼穴馬予想
◆【穴馬アナライズVol.1】単勝“2桁”オッズの惑星 「相手強化も侮れない根性娘」
◆【穴馬アナライズVol.2】馬券内で“万馬券”射程の爆穴 「前走フロック視は禁物」
◆【穴馬アナライズVol.3】想定“8人気”前後の伏兵 「前走は勝ちに等しい内容」
◆【危険な人気馬】末脚非凡な有力馬は“消し”評価 「別路線組に足元をすくわれる」
▼データ予想
◆【騎手データ】連対率100%データに該当も、前日フタ桁人気の人馬とは
◆【データ攻略-前編】「0か100」のナミュールか、馬券内率“8割”の2歳女王か
◆【データ攻略-後編】巻き返しの準備は整った、“リピート好走”が後押し
阪神牝馬ステークス2022 データコラム一覧
◆【阪神牝馬ステークス2022/枠順・騎手データ】過去10年のグラフデータから読み解く狙うべき馬とは
◆【阪神牝馬ステークス2022/前走ローテ】動く過去10年データグラフから読み解く狙うべき馬とは
◆【阪神牝馬ステークス2022/人気傾向】過去10年のグラフデータから読み解く狙うべき馬とは
文・中井達也(SPREAD編集部)