■ナミュール
【中間調整】前走のチューリップ賞は五分のスタートから中団を追走。直線では前が壁になりかけたシーンがあったものの、進路を外へ切り替えると鋭い末脚を繰り出し、結局1馬身半差の快勝を収めた。4着に敗れた阪神ジュベナイルFでも上がりは最速だったし、世代トップの決め手の持ち主であるのは間違いない。その後はノーザンファームしがらきでの短期放牧で英気を養い、3月25日に栗東へ帰厩。27日の初時計では終いだけ重点ではあるが、さっそく坂路での併せ馬を消化できており、回復は順調だったようだ。30日の1週前追いでこの馬としては異例とも言える、坂路4F51秒4(一杯)という速い時計をマーク。終いはさすがに手応えが鈍ったが、なんとか1F12秒5でまとめている。
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【最終追い切り】最終追いは前走同様、横山武騎手が騎乗。序盤は折り合いに専念して脚を溜め、終いの切れを確かめるのも前走同様だ。序盤は気乗りしないような雰囲気があったが、坂の途中からは気持ちを入れ直して素軽く加速した。
【見解】1週前の坂路時計は自己ベストを大幅に更新する数字。活気十分なのはいいとして、溜めに溜めてこそというこの馬としては、序盤に行き過ぎ、終いでバタつく形となったのは誤算だったのかも。前走時430キロと華奢なタイプで、馬体維持という観点からもオーバーワークは避けたかったはずだ。最終追いで恰好のつく動きは見せたものの、気持ちの面で乗り切れていない素振りがあったのはこの影響とも考えられる。勝負駆けだった前走の反動も少なからずありそうで、万全とは言い切れない。
総合評価「B」
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著者プロフィール
西村武輝(にしむらぶこう)●フリーライター
競走馬の追い切り評価を専門として、ネットメディア中心に執筆を続けているフリーライター。現在、UMAJIN.net「競馬サロン」においては毎週の重賞出走全頭のレポートを執筆、担当。またプロレス関連業界にも関わっており、週刊プロレスや書籍等への寄稿歴もある。