過去10年、オークスでの1番人気馬の成績は【5-2-1-2】。さらに2番人気馬が【1-3-3-3】、3番人気馬が【3-0-1-6】と、総じて上位人気馬が強い傾向にある。無理な穴狙いは禁物だが、2013年には9番人気のメイショウマンボが勝利したり、昨年は16番人気の伏兵ハギノピリナが3着に激走するなど、決して穴党の出番がないわけではない。
12年から21年までの馬券圏内30頭の臨戦過程を見てみると、ひとつの明らかな傾向が浮かび上がる。それは30頭のうち、26頭もが前走で掲示板に載っていた馬たちだった。近年においては、前述のハギノピリナが矢車賞1着からオークスに出走し16番人気3着。20年の7番人気2着ウインマリリンはフローラS優勝から、同年13番人気3着のウインマイティーは忘れな草賞を勝利してから、19年の12番人気2着のカレンブーケドールはスイートピーS1着から本番に臨んでいた。これらのことから、レースを問わず前走好走の勢いは重要であるということが言える。
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一方、漏れた4頭は、2017年の桜花賞12着のアドマイヤミヤビ、17年の桜花賞9着のルージュバック、14年の皐月賞11着のバウンスシャッセ、13年の桜花賞10着のメイショウマンボと、いずれも前走がGI競走。牡馬クラシックのバウンスシャッセはレアケースなので例外として、アドマイヤミヤビは桜花賞で2番人気、ルージュバックは同1番人気、メイショウマンボは同4番人気と、それぞれが3歳牝馬クラシック初戦において人気を背負っていた。仁川のマイルでは涙をのんだが、府中の2400mで逆襲するシーンは十分あり得る。
つまり、オークスで狙うべきは「前走掲示板以上の馬」か、「桜花賞で人気を背負った大敗馬」。伏兵はこの中に潜んでいると見た。
■ラブパイロー
前走は500万クラスのミモザ賞。スタートから押してハナを奪うと、道中はマイペースで進み、そのまま後続の追撃を振り切って逃げ切り勝ちを決めている。もともとクラシック登録を行っていなかったため、追加登録料200万円を払ってオークスにエントリーしてきた。
初勝利が1700mのダート戦であり、良馬場の芝のレースでは2度の6着とスピード勝負では分が悪いが、パワーと持続力が活きる展開になれば面白い存在。幸いなことに、土曜日の夜から日曜日の明け方まで天気予報は傘マーク。前走のような重馬場で、自分の展開に持ち込めるようならチャンスはあると見た。
過去10年で5枠は3勝と最多勝タイを誇る好枠で、ゲートのストレスが少ない後入れの偶数枠も好材料。2週前のNHKマイルCでは5枠10番のシンガリ人気カワキタレブリーが3着で波乱を演出し、先週のヴィクトリアマイルでも5枠10番の18番人気ローザノワールがあわやの4着。今週も5枠10番が穴党たちの熱視線を集める。
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著者プロフィール
山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長
元・競馬月刊誌の編集長で、現在はスポーツの未来を読みとくメディア『SPREAD』の編集長。1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、穴馬予想を追求し続けている。「ウマ娘」はゴールドシップ推し。