今週は京都競馬場で、第66回スワンS(GII、芝1400m)が行われる。マイルCSの前哨戦として施行される本レース。今年はフルゲートと頭数が揃ったこともあり、波乱の可能性も十分だ。
ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬18頭の全頭診断を行う。
◆【アルテミスS2023予想/全頭診断】「この馬の前走には驚かされた」 想定4人気以下にロックオン
スワンS2023 出走予定馬全頭診断
・アヴェラーレ
終始ロスのないレース運びで勝利を収めた前走関屋記念。マイルとしてはさほど速くない流れもこの馬に味方した印象だ。とはいえ今回は3歳春以来となる右回りが舞台。一貫して左回りにこだわってきたローテーションから外れることを考えたとき、連勝へのハードルは高いものとなりそうだ。
・インダストリア
これまで挙げた4勝中3勝が中山マイル。未経験の関西圏に加えて、1400mも距離も初となれば評価を上げるには至らない。
・ウイングレイテスト
ブリンカー着用で臨んだ前走は行き脚がつき連対を確保。自身の持ち時計も更新しており、6歳にしてさらなる成長が感じられる内容だった。今回は3歳春以来の芝1400mだが、メンバーを見渡すと確たる逃げ馬はゼロ。先手を奪っても良いシチュエーションだし、展開利と前走のパフォーマンスからここも軽視は禁物だ。
・ウインマーベル
典型的な叩き良化型で、葵S勝ちも京王杯SCも叩き3戦目。間隔を詰めたローテが加わるとさらに良く、中1カ月以内の成績は【3.0.2.1】と好走率はグンと跳ね上がる。前走スプリンターズSは勝ち馬と0秒4差。GIIのメンバーかつ得意ローテなら侮れない。
◆【天皇賞秋2023予想/追い切り診断】ドウデュースを上回る「S」の最高評価 「フルにパフォーマンスを発揮できる」
・エクセトラ
前走は1-3着馬が道中3番手以内の前残り決着。その状況で外枠を引き、道中は控える競馬を余儀なくされたことで凡走につながってしまった印象だ。今回は4走前に勝利実績がある舞台替わり。中2カ月以上の休み明け成績【2.1.0.1】も含め、巻き返しを警戒したい1頭だ。
・カイザーミノル
フタ桁着順が続く現状。厳しい。
・グレナディアガーズ
朝日杯FSに阪神Cと、冬の阪神芝に好走が集中する馬。ここは冬競馬に向けた叩き台と捉えたい。
・サブライムアンセム
リステッド競走の前走は掲示板外。重賞での馬券内は牝馬限定戦のみとなっており、一変を望むのは酷に映る。
・スマートリアン
オープンクラスでの馬券内は時計のかかる馬場コンディションがほとんど。好天で高速馬場が予想される土曜京都がベスト条件とは思えない。
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・タマモブラックタイ
4連対すべて道悪と、馬場適性がはっきりしている馬。良馬場かつ開幕週の前走4着は成長の証と捉えられそうだが、当時は雨降りしきる気象条件だった。パンパンの良馬場とは程遠い一戦と考えたとき、額面通りの評価は禁物。良馬場かつ好天想定の土曜京都では分が悪い印象だ。
・デュガ
オープンクラスではフタ桁着順が続く馬。クラス通用にはもう少し時間がかかりそうだ。
・トウシンマカオ
昨年夏からスプリント戦線にこだわってきた馬が久々の1400m戦に参戦。とはいえ重賞2着がある距離なら問題ないだろうし、ナムラクレアやファストフォース、マッドクールなど今年戦ってきた相手は強力だ。追走が楽になる距離延長がプラスに働く可能性は否定できず、直線平坦コースの成績【1.0.2.1】掲示板外なしも見逃せない。
・ミッキーブリランテ
1年以上にわたって馬券内から遠ざかる現状。厳しい。
・メイショウソラフネ
ラスト1Fで12秒1を要した前走はお世辞にもハイレベルレースとは言い難いもの。重賞即通用は難しい注文と言えそうだ。
◆【天皇賞秋2023予想/データ攻略】イクイノックスとプログノーシスの「100 or 0%」 人気馬2頭の明暗とは
・ララクリスティーヌ
3勝クラス以降は上がり3F3位以内がない馬。立ち回りの上手さを身上としてきたが、京都芝外回りのここは切れ味がより強調される舞台設定だ。連対圏への突入は至難の業か。
・ルガル
当舞台では【1.1.0.0】と連対を外していない馬。初の古馬対戦かつ休み明け、オール野芝の前走も大崩れしておらず、内めの枠を引き当てられるようならチャンスは十分だ。
・ルージュスティリア
これまで中1カ月以上のレース間隔で使われ続けた馬が、いきなり間隔の詰まったローテーション。勝負気配が強いとは言い難く、苦戦は免れられないか。
・ロータスランド
6歳を迎えてややピークアウト気味の印象。厳しい。
天皇賞(秋)2023 予想コラム一覧
馬券攻略ガイド
◆【天皇賞秋2023】予想に役立つ馬券攻略ガイド 出走予定馬、予想オッズetc.
追い切り診断
◆【追い切り診断】ドウデュースを上回る「S」の最高評価 「フルにパフォーマンスを発揮できる」
◆【追い切り診断】打倒・イクイノックスの一角は辛口「B」の低評価 「機敏さや柔らか味で若干物足りなさ」
◆【追い切り診断】ドウデュースを超える高評価「A」 「四肢の伸びも抜群で大幅に気配上昇」
◆【追い切り診断】イクイノックスに迫る「A」の高評価 「CW追いを解禁し伸び脚も豪快」
データ攻略
◆【データ攻略】イクイノックスとプログノーシスの「100 or 0%」 人気馬2頭の明暗とは
◆【データ攻略】ジャックドールとガイアフォースの「100 or 0%」 穴馬2頭の評価が真っ二つ
10/28~29 重賞全頭診断
◆【天皇賞秋2023/全頭診断】ドウデュースに「5.0.0.0」 人気一角には「0.0.0.15」で“消し”選択も
◆【アルテミスS2023/全頭診断】「この馬の前走には驚かされた」 想定4人気以下にロックオン
穴馬予想
◆【危険な人気馬】上がり最速がウリも……“消し”材料となる「4.0.0.13」のピンパー要素
◆【WIN5】イクイノックスとドウデュースの片方は“消し” WIN2~4は2点に絞り少点数で攻略
血統予想
◆【血統予想】単回収値300超+馬券内率52%条件 「想定7人気以下の2頭は買い」
枠順・人気・過去10年データなど
◆【全頭プロフィール】イクイノックスvs.ドウデュース 2強に割って入る「6.0.0.0」の刺客
◆【前走ローテ】ドウデュースに「0.0.0.4」 “押さえるべき”想定9人気以下の穴馬
◆【枠順】イクイノックスの6枠7番は単回収値「212」 馬券内率8.3%の“鬼門”にGI馬
◆【脚質傾向】その豪脚はイクイノックスと同等 「7/10」勝ち馬輩出のデータとは?
◆【人気傾向】イクイノックスに鬼門データ “単勝オッズ1倍台”なら……優勝馬ゼロ
◆イクイノックスの“資格と刺客” 「この先を含め負けるとすれば、ここしかない」
◆「天覧競馬と、ドウデュースと武豊」 11年前に見たダービー馬の意地と最敬礼の残像
UMAJIN.netより一部編集・転載(2023年10月26日 18:01公開の記事)
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。