今週は東京競馬場で、第12回アルテミスS(GIII、芝1600m)が行われる。12月に行われる阪神JFにもつながる重要な一戦。昨年はリバティアイランドが出走したレースに楽しみな馬が集結した。
ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬10頭の全頭診断を行う。
◆【スワンS2023予想/全頭診断】想定10人気以下に「3.0.2.1」 波乱含みのGII戦
目次
アルテミスS2023 出走予定馬全頭診断
・エリカリーシャン
鮮やかな逃げ切り勝ちを決めた前走だが、上がり3Fは34秒9と平凡。切れ味が強調される東京替わりがプラスに働くとは思えない。
・サフィラ
単勝1.4倍の支持を集めた前走は貫禄勝ち。サリオス、サラキアなど活躍馬を多数輩出する一族らしく素質の高さを感じさせる馬だ。スローの経験しかない点に加えて間隔の詰まったローテーションは気がかりも、ノーマークにはできない。
・シュシュトディエス
初陣を飾った前走は中山マイルで1000m通過64秒0の超スロー。行った行ったの展開を利した感は否めず、重賞即通用は難しい注文と言えそうだ。
・ショウナンマヌエラ
前走新潟2歳Sは低評価を覆す2着。マークされる立場にない前評判だったとはいえ、牡馬相手に2着なら一定の評価は与えられそうだ。とはいえ今回は秋の東京を狙いすました良血クラブ馬が複数出走する組み合わせ。再度の連対圏突入へのハードルは高そうだ。
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・スティールブルー
この馬の前走には驚かされた。外枠から好スタートを決めるも、道中は控えて折り合いも十分。直線では一度もムチを使われることなく上がり3F32秒9……とてもじゃないが2歳馬とは思えないレースセンスだ。新潟芝1600mを上がり3F32秒台以内で制した馬はリバティアイランド、セリフォス、ロードクエストなどGI連対馬がズラリと並ぶ。良血馬の陰に隠れて人気の盲点にある印象だが、軽視は禁物。
・チェルヴィニア
単勝1.1倍と負けようがないオッズで迎えた前走。結果は6馬身差の圧勝と、他馬をまったく寄せ付けないパフォーマンスだった。新馬戦で連対をはたしたコース替わりも問題ないが、唯一の気がかりを挙げるなら2歳ハービンジャー産駒の東京芝1600m成績が【0.0.0.7】と不振を極めている点。よほどのことがない限り馬券外は考えにくいが、何かに差される可能性は頭に入れておきたい。
・ニシノコマチムスメ
前走はここにも出走をはたすサフィラが断然の支持を集めたが、先行策から抜け出し勝利。何も文句のつけようがない好内容だった。当時からペースアップが濃厚な今回はその対応がカギも、ルーラーシップ×ディープインパクトの配合馬はドルチェモアやドゥアイズなど当舞台での好走が目立つ。何らかの印は必要か。
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・ミエノブラボー
前走勝ち時計は同日の新馬戦に0秒3劣るもの。1000m通過は同馬の前走のほうが速かったことを考えると、レースレベルに疑問を抱いてしまう。
・ライトバック
1000m通過63秒9の超スローとなった前走。その展開を4角10番手から差し切ったのは立派だが、裏を返せばあのスローペースでも後方待機を余儀なくされたという見方もできる。ペースアップ濃厚のマイル戦で迎える今回、突き抜けるのは至難の業か。
・ラヴスコール
前走2着に下した馬はのちに1勝クラスで5着。初の左回り、非洋芝コースでもありここは様子見が妥当か。
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UMAJIN.netより一部編集・転載(2023年10月26日 18:00公開の記事)
著者プロフィール
田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。